Netflixで配信され、大きな話題となっているオリジナルドラマ「Netflixシリーズ『サンクチュアリ -聖域-』」に出演している寺本莉緒さん。主人公の新人力士・猿桜(一ノ瀬ワタル)と仲を深める、どこか謎に満ちたホステスの七海を演じているが、同役はオーディションで射止めたという。自身の性格のことを「負けず嫌い」と表現。その上で「基本的に誰にも負けたくないっていうのが常にあって。(役者業は)自分にすごく向いている職業だと思っています」と明かす寺本さんに、作品や役について話を聞いた。
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「サンクチュアリ -聖域-」は、借金や暴力、家庭崩壊によって人生崖っぷちの荒くれ者・小瀬清が、若手力士“猿桜”として大相撲界でのし上がる姿を、痛快かつ骨太に描く人間ドラマ。関取を夢見るも体格に恵まれないもやしっ子・清水を染谷将太さん、花形部署から相撲番に左遷された世渡り下手な新聞記者・国嶋飛鳥を忽那汐里さんが演じ、田口トモロヲさんさん、余貴美子さん、松尾スズキさん、小雪さん、ピエール瀧さんらが出演している。
寺本さんが演じた七海は、一見、天真らんまんだが、“あざとさ”も持ち合わせ、時に猿桜を翻弄(ほんろう)する女性キャラクターだ。劇中では猿桜に近づいた理由や、目的は明かされていないが、「そこにはちゃんと意志がある」という。
「私は七海のことを誰にも負けたくないという強い思いや力強さがある女性だと思っています。撮影時、まだ18、19歳だったのですが、当時、私自身が誰にも負けたくないって気持ちが強い時期だったので、そこがうまくリンクして、(オーディションで)役をいただけたのかなって思います」
七海は猿桜を軸に、忽那さん演じる国嶋と対をなす女性キャラでもあり、当然、演じるにあたっては意識した。
「七海の天真らんまんさや意志の強さは意識しつつ、できるだけナチュラルに受け入れてもらえたらと演じてはいました。あとは周りのキャストの皆さんがすごい方ばかりだったので、私が何かを見せてやるというよりかは、食らいつくぞっていう思いでいっぱいでした」
時に監督から「初心に戻れ」と喝(かつ)を入れられながら、乗り切った撮影。「喝を入れられたときに、このままじゃダメだな、甘くない世界なんだなって身に染みて感じました」と明かす寺本さんが、とにかく心がけたのは「役になりきること」だった。
「私情が入ると、どうしても役に集中できなくなってしまうし、集中が途切れることで、素晴らしい作品を一人で台無しにしてしまうこともありえたので。集中力を切らさないよう、役になりきることを一番に考えていました」
そんな寺本さんが印象に残っているシーンとして挙げたのが、病院送りになった猿桜
を見舞いに来た国嶋と七海との対峙(たいじ)。
「ああいった怒りマックスなお芝居をこれまでしたことがなかったので。忽那さん演じる国嶋には、キャラクターとして、『負けたくない』って思いがありましたし、しっかり準備してのぞんだことを今でも鮮明に覚えています。忽那さんも気を使ってくださって、『お互い頑張りましょう』って感じの空気を作ってくださって。本当にいい経験をさせていただきました」
改めて「サンクチュアリ -聖域-」について、「キャストの皆さんが素晴らしくて、これほどまでに熱量の高い作品に参加させていただけたことは、本当にありがたいことでした」と話すように、寺本さんにとって“一つの転機”になったことは間違いないだろう。最後に演技の仕事への思いを聞くと……。
「すごく楽しいんです。すごく楽しいんですけど、私自身が負けず嫌いというのがあって、(演技に)納得できないと役に対してうまく集中できないんです。なので、下手に考えすぎず、今は100%楽しむことをずっと目標にしています。でも『サンクチュアリ -聖域-』に関していうと、ずっと楽しんでできていて、それがいい経験になって、今も演技の仕事を続けらているので、今後も楽しんで頑張っていけたらと思っています」