生駒里奈:“生駒ちゃん”というイメージに勝ちたい 乃木坂46卒業から5年「生き残れてよかった」

ホラー映画「忌怪島/きかいじま」で深澤未央役を演じる生駒里奈さん
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ホラー映画「忌怪島/きかいじま」で深澤未央役を演じる生駒里奈さん

 俳優の生駒里奈さんが出演するホラー映画「忌怪島/きかいじま」(清水崇監督)が6月16日に公開。生駒さんが演じるのはチームの一員のプログラマー・深澤未央。これまでも数々のホラー作品に出演してきた生駒さんは、登場人物の感情が分かりやすいホラー作品の登場人物を演じることは「ありがたい」と語る。5年前にアイドルグループ「乃木坂46」を卒業し、俳優として「生き残れてよかった」と語る生駒さんに、現在の心境やホラー作品に出演する思いなどを聞いた。

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 ◇早く20代を脱したい

 映画は、島という閉ざされた空間でVR(バーチャルリアリティ)を研究する“シンセカイ”チームに降りかかる不可解な死とその謎を描くホラー。人気グループ「なにわ男子」の西畑大吾さんが主演を務め、「犬鳴村」(2020年)、「樹海村」(2021年)、「牛首村」(2022年)の「恐怖の村」シリーズを手掛けてきた清水監督が演出する。

 生駒さんは、演じる未央を「女子っぽい」と表現し、「“生駒ちゃん”より、きっと性格も考え方もちょっと違う人。『友達にはなれないタイプかな』って」と笑う。今年は、そうした「女子っぽい」役が多かったと生駒さん。ただ、そんな役に当初は違和感もあったが、徐々にその思いは薄れていき、「できるかも」という感触も得られたという。

 「単純に、歳を重ねたからだと思うんですが……。お母さんが『年を重ねたら、なんでも楽になるよ』と言っていたのが、自分にとってはすごい名言で(笑い)。だから、早く30代、40代になりたいんです。『早く20代を脱したい』という思いがあります。こうやって苦手なものが少なくなって、できる役が広がっていった方がうれしいので」

 今回の役では、抑えて引いた芝居を意識した。「未央はぐいぐい前に出る人ではないので、あまり目立っちゃいけないと思っていました。どういう案配でいい引き方をするか、チャレンジしたかったんです。脇にいる人たちがうまく存在しないと主演が成り立たないことも、主演が引っ張るからこそみんなが良くなることも知っているから。新しいポジションでのお芝居の開拓だったのでうれしかったですね」

 これまでも連続ドラマ「OTHELLO(オセロ)」や初主演映画「コープスパーティー」、映画「ROOOM」などホラー作品に相次いで出演してきた生駒さん。ホラー映画への出演は「ありがたい」という。

 「とっても(登場人物の)感情が分かりやすいので、ありがたいです。『怖い』と思うから悲鳴をあげるわけじゃないですか。素直にそういう感情になれるから、泣けるし悲鳴を上げるしおびえが出る。自分にとってホラーはとてもやりやすいですね」

 ◇俳優として「生き残れてよかった」

 本作公開の約5年前にアイドルグループ「乃木坂46」を卒業した。卒業後の5年間は、そのまま俳優としての5年間でもある。改めて、この5年を振り返ってどのような思いを持っているのかを聞くと、「生き残れてよかったです」とほほ笑みを浮かべる。

 「3年も経たずにやめなきゃいけないんだろうと思っていたので……『続けたい』じゃなくて『続けられないんでしょ』って。仕事もないだろうし、求められてもいないだろうと思っていたので。だからお仕事(ができること)もうれしいし、お兄ちゃん、お姉ちゃんとして優しくしてくれる俳優さんや新しくできたお友達など、大切な人がこの5年間でまた増えたので『本当によかったな、幸せだな』と思っています」

 卒業直後は「それまで『乃木坂46』というだけで生きていたので、自分だけ、となって生き残れるのか不安しかなかったです」と生駒さん。だが「なんとか1人でも頑張れたし、頑張った先に友情だったり先輩との絆だったりがあったので『生きててよかったなー』と思います、本当に」と思いを明かす。

 今の目標は、「すごい芝居をしたり、みんなが見たことがある作品に出たり、誰が見ても『すごい』って思うことをやって、私を俳優にしてくれた人たちの自慢になる俳優になる」ことだ。

 「やっぱり、自分自身でも“生駒ちゃん”というものにまだ負けている感じがするので、俳優としての印象をつけていくことが目標です。ずっと“生駒ちゃん”でいるのもうれしいですが、もうちょっと俳優として、“生駒ちゃん”というイメージに勝ちたいですね」

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