コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガなどの人気のバロメーターとしても注目を集めている。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材、参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーにクローズアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体作りなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞く。
世界最大級のゲーム展示会「東京ゲームショウ2023」をはじめ、今年で10周年を迎える「池袋ハロウィンコスプレフェス2023」や、日米の映画、コミック、アニメ、ゲームを扱うポップカルチャーの祭典「東京コミコン2023」など、コスプレも楽しめる大型イベントは、9月以降も全国各地で続々と開催される。いずれも大盛り上がりとなることが予想されるが、会場を彩るレイヤーたちの衣装を通して、その時期に旬の作品や注目度の高いタイトルを分析できるところも、それらのイベントに参加するうえでの醍醐味(だいごみ)の一つ。
「コスプレの新しい遊び方を提案する」をテーマに、東京タワーフットタウン(東京都港区)内のeスポーツパーク「RED゜TOKYO TOWER(レッド トーキョータワー)」で実施された「COS-EXPO2023」にも大勢のコスプレイヤーが集結。同イベント用に描き下ろされた「コスプレ-R(リバース)」のコスプレで参加していた乃街まのさんは、ウイッグの造形にこだわったという。
「ショートヘアなんですけど、ツインテールにボリュームがあって……。重たそうに見えてしまうとキャラクターのイメージに合わないので、ふわふわの軽い感じに仕上げることを意識しました。こちらの『コスプレ-R』は先にコスプレ衣装を制作して、そこからキャラクターのイラストを描き起こすという、従来のコスプレとは真逆の展開をしているプロジェクトなんですけど、イラストの方もすごく可愛らしく描いてもらっているので、機会があればそちらもぜひ、ご覧になっていただきたいです」
取材・文:ソムタム田井