コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガなどの人気のバロメーターとしても注目を集めている。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材、参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーをクローズアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体づくりなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞く。
今回は、「原神」のフリーナに扮(ふん)するコスプレーヤー・月海つくねさんを紹介する。
複雑な造形のウイッグは、作成に費やす労力や時間もさることながら、形が崩れないように持ち運ぶ“移動の手間”も、何気に気を遣うポイントの一つ。会場によってはヘアアイロンなどが使えないこともあるため、型崩れしやすい質感のウイッグを持参する際は、特に注意しなければならない。
月海つくねさんは持ち運びの時だけでなく、衣装に着替えてからも、ウイッグの管理には細心の注意を払っている。
「ウイッグの制作にはかなり時間をかけました。ボリュームのあるふわふわの髪に、跳ねたくせ毛をつけ足すのがなかなかたいへんで、ゲーム画面と見比べながら5時間ほどかけて完成させました。見た目は柔らかそうですが、風に煽られても形が崩れないようにしっかり固めてあるので、そうしたところもこだわったポイントです」
取材・文:ソムタム田井