コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガなどの人気のバロメーターとしても注目を集めている。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材、参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーをクローズアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体づくりなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞く。
今回は、2023年12月30、31日に東京ファッションタウンビル（東京都江東区）で開催された「となりでコスプレ博2023冬」で撮影、インタビューした「涼宮ハルヒの憂鬱」の涼宮ハルヒに扮（ふん）するHimaさんと、朝比奈みくるに扮するYUKOさんを紹介する。
コスプレメークと聞くと、アイメークやシェーディングは普段のメークより濃くしたり、輪郭や目つきをよりキャラクターに近づけるためテーピングを行ったりと、とにかくやることが多く、すべての工程を覚えるだけでも一苦労……といったイメージを抱く人が多い。
とはいえ、ただ手を加えればいいわけではなく、場合によってはあえて自然なメークにとどめることで、そのキャラクターならではの雰囲気を表現できるケースもあるという。HimaさんとYUKOさんは、バニースーツというインパクト抜群の衣装とは裏腹に、メークでは“ナチュラルな女子高生らしさ”にこだわったと話す。
「2024年で原作が20周年を迎えるということで、ハルヒのコスプレをしてみました。今回は衣装の素材とデザインにこだわっていて、生地は厚みのあるものを選び、立体的に仕上げています。それとハルヒは高校生なので、メークが派手になりすぎないように、ナチュラルな感じにしたところも意識したポイントです」
「みくるちゃんの髪色は原作イラストとアニメで微妙に違うので、今回はアニメ版を参考にしながらウイッグの色味を調整しました。他にもこだわったポイントを上げるとしたら、たれ目メークですね。私自身がちょっとつり目なので、できるだけみくるちゃんの柔らかい雰囲気を再現できるように、アイメークを頑張りました」
取材・文：ソムタム田井
