機動戦士ガンダムSEED FREEDOM:CGだから表現できたゼウスシルエット 光の翼のこだわり スタッフが明かす制作秘話

「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」の一場面(c)創通・サンライズ
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「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」の一場面(c)創通・サンライズ

 人気アニメ「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの完全新作劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」のスタッフトーク上映会が4月2日、新宿ピカデリー(東京都新宿区)で開催され、アニメを手掛けるバンダイナムコフィルムワークスの仲寿和プロデューサーと3DCG制作デスクの藤田進夢さんが登場した。「SEED FREEDOM」のMS(モビルスーツ)は、CGを中心に描かれている。上映会では、仲プロデューサーと藤田さんがCG制作の秘話を明かした。

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 「SEED FREEDOM」のMSは、メカニックデザイナーの“巨匠”大河原邦男さんが設定画を描いた。設定画を基にCGのモデルを作り、チーフメカ作画監督の重田智さんが監修し、モデルを完成させた。

 CGを制作する中で、特に大変だったのが、ゼウスシルエットを装備したデスティニーガンダムSpecII、ムラサメだったといい、仲プロデューサーは「(作画では)無理だと思ったのはゼウスシルエット。CG一択だった」、藤田さんは「あとはムラサメですね。変形するし、ディテールも多い」と明かした。

 マイティーストライクフリーダムガンダムやデスティニーガンダムSpecIIの“光の翼”の表現もこだわり抜いた。

 藤田さんは「CGだけでは絶対に終わらなかったので、撮影さんと協力してやらせていただきました。当時(テレビアニメシリーズ)の素材はあるのですが、20年たっているので、ソフトも変わっていますし、そのままではいけない。僕たちがテストで、羽を色分けした素材を作り、撮影で処理をしていただき、その素材を戻して、CGのアセット(モデルの素材データ)に組み込みました。発光感やフワッとした感じは、撮影さんに入れてもらっています」と説明した。

 ファウンデーションで独自に開発されたMSのブラックナイトスコード カルラが話題になると、藤田さんは「カルラは、ストフリ(ストライクフリーダムガンダム)と武装が似ている。カルラは、ストフリにできることは全てできて、ストフリになるはずだったフレームを使っている……と勝手に想像していました」と語った。

 仲プロデューサーと藤田さんのスタッフトーク上映会の第2弾は4月9日に新宿ピカデリーで開催される。

 「SEED」シリーズの「機動戦士ガンダムSEED」は2002年10月~2003年9月、続編「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」は2004年10月~2005年10月に放送された。「SEED FREEDOM」は「SEED DESTINY」の続編で、福田己津央監督らテレビアニメのスタッフが再集結した。劇場版は、2006年に制作が発表されたものの、その後は長らく続報が途絶えていた。発表から約18年の時を経て、1月26日に公開され、興行収入が42億2000万円を突破するなどヒットしている。

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