松岡昌宏:「準備をしていくのは芝居だけ」 多方面で活動を続ける秘訣は

連続ドラマW 密告はうたう2 警視庁監察ファイル」で主演を務める「TOKIO」の松岡昌宏さん
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連続ドラマW 密告はうたう2 警視庁監察ファイル」で主演を務める「TOKIO」の松岡昌宏さん

 WOWOWの連続ドラマ「連続ドラマW 密告はうたう2 警視庁監察ファイル」で、主人公・警視庁人事一課監察係(通称・ジンイチ)の佐良正輝役を演じる「TOKIO」の松岡昌宏さん。本シリーズを「自分が今まで経験したことのない作品」と語る松岡さんに、作品や自身の活動について聞いた。

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 ◇続編に「びっくり」 佐良との出合いは「タイミングが良かった」

 ドラマは、伊兼源太郎さんの小説「ブラックリスト 警視庁監察ファイル」「残響 警視庁監察ファイル」(ともに実業之日本社)が原作。4万人を超える警視庁職員の不正を取り締まり、「警察の中の警察」と恐れられる警視庁人事一課、監察係の知られざる内部捜査を描いた本格サスペンスだ。

 2021年に放送された前作の好評を受けての続編だが、「前作の温度感などから、しっかり完結した印象もあった。続編があることに率直にびっくりしました」と語る松岡さん。

 評価された点を「ただ普通に作品が面白いのだと思います。それと“内片(輝監督)マジック”というか。監督特有の躍動感ある動き。そこじゃないですか」と言及し、「画もすてき。あんなに画にこだわる監督は、自分も5人は知らないです」と監督や制作陣の手腕を絶賛する。

 松岡さん自身、前作では「自分が今まで経験したことのない作品だった。43歳の頃で、『こういったものを経験できる年齢になった』と思った」と感じ、「タイミング的にもちょうど良かったのでしょう」と作品や役との出合いに感謝する。

 役作りでは「佐良をどうもう一回戻すか。監督の中で揺るぎない画があるので、どれだけ前の佐良と今の佐良の違いを作れるか」を意識。そして「この作品でしかやっていない」というルーティンを明かす。

 「(普段は)現場で作って「頑張りましょう」とはじめるタイプだけど、(本シリーズは)朝起きたときにまずせりふを言わないと言えない。伝わりにくいせりふや覚えにくいせりふを朝起きて必ずブツブツ言う作業が必要な作品。前作もそうだった」

 ◇どの現場も心構えは「同じ」 休日は意外にもインドア派

 音楽やバラエティーなど多方面で活躍する松岡さん。各現場での心構えや軸は何だろうか。松岡さんは「(軸は)まったく同じ。強いて言うならドラマというか芝居だけが、僕の中にある唯一のジャンルですね」と持論を語る。

「音楽はもともと好きでやっていた延長で、バラエティーも自分がしゃべっているものに(カメラが)回っているだけ(笑い)。こうした方がいいかな、ああした方がいいかなと準備をする。そうやっていくのは唯一、芝居だけ」

 自然体を心がけているのか聞いてみると「自然体ということすら考えていない。自然体と思った瞬間に不自然な気がする。そんなことを考えてやった方がいい人と、考えないでやった方がいい人がいると思うけど、俺は考えない方が合っている」と分析する。

 長く活動を続ける秘訣を「見てくれる人、使いたがってくれる人がいること。それ以上でもそれ以下でもない。どっちが欠けても成り立たないから」と冷静に語る松岡さんだが、休日は「基本何もしない。この間の休みもベッドから動かなかった(笑い)」と意外なインドアぶりを明かす。

 作品にちなみ、疑うことと信じることはどちらが気持ち的に楽かと聞くと、「信じる方が楽。信じて裏切られた方がよっぽどいい」と返ってきた。

 「疑うとかジェラシーとかアングリーとかは疲れるし、なるべく触れないで生きていきたい。疑わないというよりは、人が好きで、人を見て、人を演じるのが仕事だから、人にそこまで興味を持たない。それに疑ったらキリがないから」

 「連続ドラマW 密告はうたう2 警視庁監察ファイル」は8月11日から毎週日曜午後10時、WOWOWプライム、WOWOW4K、WOWOWオンデマンドで放送・配信される。(取材・文・撮影:遠藤政樹)

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