解説:【豊臣兄弟!】大河ドラマ“19回目”の「本能寺の変」へ どうする光秀? 要潤&チーフ演出が語っていたこと

大河ドラマ「豊臣兄弟!」第27回「本能寺の変」の一場面 (C)NHK
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大河ドラマ「豊臣兄弟!」第27回「本能寺の変」の一場面 (C)NHK

 俳優の仲野太賀さん主演のNHK大河ドラマ豊臣兄弟!」(総合、日曜午後8時ほか)の第27回「本能寺の変」が、7月12日に放送される。副題の通り、いよいよやってくる“その時”「本能寺の変」。この日本史上最大のミステリーが今回どう描かれるのか、大きな見どころになるのは間違いない。前回第26回「信長を笑わせろ!」(7月5日放送)の終盤には、新たな“黒幕”として信長(小栗旬さん)の甥・信澄(緒形敦さん)の存在がクローズアップされ、視聴者を驚かせたが、このまま物語はすんなりと進むのだろうか……。

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 ◇気になる光秀の動機 3年前の「どうする家康」はなんだかんだ怨恨

 「本能寺の変」とは、1582年6月2日の明け方、明智光秀(今作は要潤さん)の兵が、本能寺にいた主君・織田信長を襲撃し、自害に追い込んだ歴史的大事件だ。

 1963年に始まり、60年以上の歴史を持つ大河ドラマでは、「豊臣兄弟!」の“前・戦国大河”「どうする家康」(2023年)までで、直接的・間接的問わず「本能寺の変」が登場したのは18作あるという。

 放送年が古い方から順に挙げると「太閤記」(1965年)、「国盗り物語」(1973年)、「黄金の日日」(1978年)、「おんな太閤記」(1981年)、「徳川家康」(1983年)、「春日局」(1989年)、「信長 KING OF ZIPANGU」(1992年)、「琉球の風」(1993年)、「秀吉」(1996年)、「利家とまつ〜加賀百万石物語〜」(2002年)、「功名が辻」(2006年)、「天地人」(2009年)、「江~姫たちの戦国~」(2011年)、「軍師官兵衛」(2014年)、「真田丸」(2016年)、「おんな城主 直虎」(2017年)、「麒麟がくる」(2020年)、そして「どうする家康」となる。

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 よって「豊臣兄弟!」は、大河ドラマ“19回目”の「本能寺の変」となるわけだが、気になるのは光秀の謀反の動機。この部分は、歴史的に見てもいまだはっきりと分かっておらず、「本能寺の変」が“日本史上最大のミステリー”などといわれる所以だ。

 信長によるパワハラを耐えかねての「怨恨説」、信長に取って代わって天下を統一せんとした「野望説」、背後に謀反を誘導した人物がいたとする「黒幕説」、または長宗我部元親(今作では磯部寛之さん)が関係していたとする「四国説」などが唱えられてきた。

 ちなみに3年前の「どうする家康」では、手前で、家康(松本さん)が「信長(岡田准一さん)を殺す」と家臣団の前で宣言するなど、「家康黒幕説」を匂わせつつ、なんだかんだありながらも光秀(酒向芳さん)の「怨恨説」を採用。物語の上では後日、「やれたからやった、までのこと」と説明(?)された。

 ◇何かあると、光秀は「自分が悪かったのではないか」と考える?

 「豊臣兄弟!」に話を戻すと、いまから単純な「怨恨説」とするのは、かなりの“ウルトラC展開”が必要。もちろん、信長の命令に背けず、罪なき者の命をあまた奪った「比叡山焼き討ち」の代償として、足利義昭(尾上右近さん)から非難を受け、その義昭を京から追放したのも信長本人とあって、光秀が信長に対して何か思うところがあっても不思議はない。また信長は、光秀とつながりのある長宗我部元親の「四国切り取り」の約束を突然、破ったことで、光秀は現在も板挟み状態にはあるが、ここまでの描かれ方からすると、これらを直接的な動機とするのは少々、弱い。

 これは、急浮上した「信澄黒幕説」にも言えることで、光秀にとって信澄は娘婿とはいえ、背景にあるのは、信澄の、父・信勝(中沢元紀さん)を信長に殺されたことへの復讐心と考えると、光秀が「本能寺の変」を起こすには、何かもう一つ大きなきっかけがほしいところ。果たしてどうなるのか……。

 いずれにせよ、事を左右するのは光秀の胸の内。これはヒントとなるかどうかは分からないが、以前のインタビューで、要さんは今作の光秀の人物評として以下のような発言も。

 「分かりやすいキャラクターにはなっていないなと思います。自分の居場所を探せば探すほど迷路に入ってしまう人物。でもあくまで、公方様(義昭)のことを思いながら生きている」「何かあると『自分が悪かったのではないか』と考えてしまう人物で、自分の願望を語ることもほとんどありません。能動的に行動を起こすタイプには見えないですね」

 自分の居場所を探すほどに「迷路に入ってしまい」何かあると「自分が悪かったのではないか」と考えてしまう人物、それが光秀。

 さらに、チーフ演出の渡邊良雄さんは「本能寺の変」について「皆さんご存知の家康への接待で、魚が腐っていて、信長にものすごく怒られて、そのとき振るわれた暴力もひどくて、それが『トリガーになった』みたいな話もありますが、本作で、なぜ光秀は本能寺の変を起こすのか。ご覧いただくと何かしらの萌芽があって、火がついてしまった切なさみたいものは、要さんがうまく演じきってくれるんじゃないかという期待はすごくあります」と語っていて、「止むに止まれず」な部分が大きそうな気も。

 あすの放送では、渡邊さんの言う「何かしらの萌芽」の正体に加え、「切なさ」にも注目だ。(岸谷史生/MANTANWEB)

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