解説:「終身名誉勝家」と賞賛集めた山口馬木也 最後まで勇ましく、見事な猛将ぶり…大河ドラマ史に名を刻む

大河ドラマ「豊臣兄弟!」第33回の場面カット (C)NHK
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大河ドラマ「豊臣兄弟!」第33回の場面カット (C)NHK

 俳優の仲野太賀さん主演のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合、日曜午後8時ほか)。8月30日放送の第33回「北庄(きたのしょう)城の別れ」では、山口馬木也さん演じる柴田勝家の最期が描かれ、大きな話題に。その最期の描写が、市(宮崎あおいさん)と手をつないで天守から身投げする、という予想だにしないものではあったが、それとは別に、視聴者から「終身名誉勝家」との肩書き(?)が与えられるなど、賞賛を集めた山口さんの演技。改めて、大河ドラマ史にその名を刻んだと言えるのではないだろうか。

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 ◇「親父殿と慕われ忠義も果たす」勝家の魅力を全身で体現

 山口さんが大河ドラマに出演するのは5回目。これまで「北条時宗」(2001年)で北条顕時役、「八重の桜」(2013年)で榎本武揚役、「麒麟がくる」(2020年)で朝比奈親徳役、「鎌倉殿の13人」(2022年)で山内首藤経俊役を務めてきた。

 「豊臣兄弟!」への出演が発表されたのは昨年2月。演じる柴田勝家は、織田信長の重臣の一人で、主君・信長役の小栗旬さんとは「鎌倉殿の13人」に続く“大河共演”となった。

 また勝家は「鬼柴田」の異名で恐れられた猛将。山口さんは役への印象について「『鬼柴田』『かかれ柴田』など数々の異名を持つ勇猛果敢な武士、その一方で部下からは親父殿と慕われ忠義も果たす。本当に魅力的な人物だと思います」と語っていたが、その言葉通りの勝家の魅力を、全身で体現してくれたのが、今回の山口さんだった。

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 ◇まさに猛将 市の手を握ったまま、片手一本で敵兵を次々

 そんな山口さんは勝家として、最後まで勇ましく、見事な猛将ぶりを披露。直近の放送となった第33回、「賤ケ岳の戦い」で羽柴軍に敗れ、市のいる北庄城に籠城することになった勝家は、目の前で市が自害するのを素手で止めてみせる。ここで「やはり、そなたを死なせることなどはできん」と泣き笑いの表情を浮かべると、続けて「いま一度、抗いましょうぞ」「この勝家が最後までお守りいたしまする」と言って、愛する市の手を取った。

 次のシーンでの勝家、市の手を握ったまま、雄たけびを上げ、片手一本で敵兵を次々と倒す姿は、まさに猛将と呼ぶにふさわしい暴れっぷり。同回の一つのクライマックスとなったが、ついに最期の時が……。

 天守の最上階で もう行き場がなくなった勝家は、遅ればせながらやってきた小一郎(仲野さん)の前で「よう見ておけ。これが戦じゃ」と言い放つと、市と二人、外に身を投げ、命を散らした。

 インタビューで「勝家を演じることが決まったとき、『最後まで最強の“老害”でいてやろう』と思っていました」と話していた山口さん。“老害”というマイナスイメージが漂う言葉さえも、どこかかっこよく聞こえてしまう勇ましさ、漢らしさ。山口さん自身が戦国大河にふさわしい“一人の侍”だったからだと思う。(岸谷史生/MANTANWEB)

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