千葉翔也×上田麗奈×青山吉能:「アオのハコ」Season2インタビュー 初めての“悪意”に「新鮮」 異質な新キャラ夢佳を「強く際立たせたい」

アニメ「アオのハコ」 に出演する(左から)猪股大喜役の千葉翔也さん、鹿野千夏役の上田麗奈さん、木戸夢佳役の青山吉能さん
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アニメ「アオのハコ」 に出演する(左から)猪股大喜役の千葉翔也さん、鹿野千夏役の上田麗奈さん、木戸夢佳役の青山吉能さん

 「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された三浦糀さんの人気マンガが原作のテレビアニメ「アオのハコ」Season2が10月4日から毎週日曜午後4時半にTBS系全国28局で放送される。原作は中高一貫スポーツ強豪校・栄明高校を舞台に、男子バドミントン部・猪股大喜が、女子バスケットボール部の先輩・鹿野千夏に恋をするという青春部活ラブストーリー。テレビアニメのSeason2では、大喜と千夏の前に波乱を巻き起こす新キャラクターの木戸夢佳が登場する。猪股大喜役の千葉翔也さん、鹿野千夏役の上田麗奈さん、木戸夢佳役の青山吉能さんに収録の裏側、Season2の見どころを聞いた。

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 ◇黒い感情を糧にして動く夢佳 異質さを表現

 --2024年10月~2025年3月に放送されたSeason1を振り返って、印象的なシーンは?

 千葉さん めちゃくちゃ細かいシーンなのですが、演じていて印象深かったのは、山の中で足を痛めたおばあちゃんを背負っている千夏先輩の屈託のない笑顔を見て、大喜が「この人のこと好きだな」と改めて思って笑顔を見せるシーンです(第23話)。大喜が千夏先輩のことが好きということで始まっている作品なので、改めて好きになった瞬間を演じる機会はないんですけど、あそこで改めて「好き」という感情が盛り上がる、ほれ直すというか。マンガを読んでいる時は、文化祭や千夏先輩の魅力的なシーンにすごく心が動いていたんですけど、演じてみると、大喜目線で感情が動いたところが自分的には楽しかったなと思います。

 上田さん 大喜がずっと千夏への好きな感情を持ってくれている中で、千夏はゆっくり気持ちを育てているというところまでのSeason1だったのですが、そんな千夏の中でも、大喜との心の距離が少しずつ近づいていっている感覚はきっとあったと思うし、それが行動にようやく移せたのが、千夏が大喜にスマホでスタンプを送ったところ(第15話)。まずお母さんとの電話があって「つらいときに誰かを頼ることね」と言ってくれて、すぐ浮かんだのが大喜くんだった。水族館でのエピソードもあったからこそ、あのスタンプを送ることができた。積み重ねの中でようやく行動に移すことができたという、一歩、二歩進んだ部分がすごく印象に残っています。Season2は徐々にその育ててきたものと向き合っていく千夏が描かれていくので、そういった意味でも思い出深いシーンだったかなと思いました。

 --青山さんは、Season2からの参加ですが、「アオのハコ」にはどんな印象があった?

 青山さん てっきりスポーツものなのかなと思うくらいマンガでもアニメでもその描写が熱くて、作画もめちゃくちゃきれいで、すごく丁寧に描かれているなと。でもやっぱり群像劇というか、人間関係がどんどん色濃く描かれていく。その2本の軸がどっちも太い作品だなという印象がありました。

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 --青山さんが演じる木戸夢佳は、ミニバス時代、中学校時代の千夏の元チームメートで、Season2では波乱を巻き起こすキャラクターとして登場します。収録にはどんな思いで臨んだ?

 青山さん 「アオのハコ」という作品がものすごく盛り上がっていることは知っていたんですけれども、自分が携わっていない作品が盛り上がっていることに悔しいという気持ちもありました。それでいうと夢佳と同じ気持ちというか。夢佳役のオーディションを受ける時、夢佳が何かに対して黒い感情を糧にして動くところがかなり自分の心情ともマッチしていたので、作品に携わることができてありがたいなという気持ちでいっぱいでした。

 --夢佳はSeason2の初回のラストで登場し、大喜と一緒にいる千夏に対して辛辣(しんらつ)な言葉を投げかけます。千葉さん、上田さんから見た夢佳の印象は?

 千葉さん 「アオのハコ」は、悪意みたいなところを描いていなくて、どのキャラクターも丁寧に自分の感情を言葉にできる人たちだから、大喜から見ても、作品としても、嫌な言葉があまり出てこない作品だなと思うんです。そういう意味ではこっちも描くんだなという、嫌な新鮮さと言いますか。自分の学生時代を振り返っても、学校の中で完結している人間関係じゃないものが入ってきた感じというか。高校で出会った友達が元々中学で一緒だった友達としゃべる時にテンションが違うところを見てびっくりする感覚や、高校生活を楽しんでいる時に中学で別れた同級生に会ってちょっと気まずい感覚とか、そういう気持ちになりましたね。

 上田さん 夢佳はひょうひょうとしていたので、言葉や表情、話しかけ方が本当の部分ではないんだろうなと受け取りました。ずっと言えないでいる本心とか、抱えている思いがあって、本音で話している感じではないのかなと思ったので、千夏としてもまだ気持ちをぶつけ合うターンではないのかなと感じながら聞いていました。

 --青山さん自身は夢佳をどんなキャラクターと捉えて第1話を演じた?

 青山さん 後々、夢佳にとって千夏がどんな存在だったのかということが明かされるのですが、さまざまな夢佳のバックボーンを考えてみると、大喜と一緒にいる千夏が「バスケから逃げた」というふうに夢佳には映ってしまったんですよね。そこに対する失望を感じさせつつも、演出として異質なものがポチャンと落ちるような感覚をもっと強く際立たせたいということで、出さないといけない憎しみの量が多くて。すごく印象に残るシーンにもなりましたし、今後あの登場の答えみたいなものも描かれていくので、皆さん、お楽しみにという感じです。

 --千葉さんが言われたように、夢佳は「アオのハコ」ではなかなかいなかった悪意をぶつけてくるキャラクターです。

 青山さん 第1話では、夢佳の印象を特に強く残したいという気持ちもあったのかもしれないです。「もう全部出すぞ!」と思い切ってできたのはよかったなと思いますね。

 ◇現場ではあえて「しゃべらないように」

 --収録の様子は?

 青山さん Season1で培われた皆さんの絆をすごく感じました。ほかの現場でご一緒した方もいらっしゃったんですけど、私としては転校してきた気持ちに近くて。私はそこにイエーイ!と入っていけるタイプではなかったので、「みんな仲良さそうだなぁ……」とジメジメ思っていたんですけど(笑)、それはそれで夢佳に通じるというか。夢佳も異質な存在なので、このメンタリティーは使えるぞと思いながら皆さんの和やかな雰囲気をそっと陰で見ていました。

 上田さん 確かに今までのメンバーは、休み明けの新学期みたいな感じでしたね。そして、夢佳とはあえてしゃべらないようにしていたんだよね。

 青山さん そうなんです。仲良くしちゃうと、お芝居との乖離(かいり)が出ちゃうから。

 上田さん もちろん世間話をすることもあるんですけど、隣に座ってじっくり話し込むと「やめて! 好きになっちゃうから!」みたいな(笑)。まだ心を通わせすぎてはいけないキャラクター同士というところで、ある程度距離を置いてやっていたなという思い出があります。

 千葉さん それを感じたので、話しかけるのを途中でやめました。

 上田さん、青山さん (笑)。

 青山さん スタジオでは、千夏と夢佳の間に大喜が座ってくれていたんです。千葉さんがずっと何かしら話してくださっていたのがうれしいし、ありがたくて。千葉さんはやっぱり座長でムードメーカーなんだなと思っていました。

 千葉さん 青山さんをはじめ、Season2から初めていらっしゃる方たちも多いので「この作品ってこうだよ」と伝えたいけど、伝えすぎると説明的だなと思うので、行動で頑張るかという思いでやりました。

 ◇青山吉能の「抱えているものが漏れ出るお芝居」 ヒリつくシーンにも温かさ

 --共演する中で感じたことは?

 上田さん 青山さんは、自分の抱えているものが漏れ出るようなお芝居をする印象があるので、夢佳の状態や気持ちがすごく伝わってくる。夢佳が動けない分、見ているこちらがもどかしくなったり、応援したくなったり、動きたくなる、そんなキャラクターになっているのかなと思います。あと、先々千夏と夢佳が掛け合うシーンがあるんですけど、原作を読んだ段階ではヒリついたシーンになるかなと思っていたシーンも、どこか温かみがあって。ネガティブな言葉のやり取りになったとしても、根っこのところにある気持ちはそうじゃないのかなと感じて。怖い、意地悪だな、嫌いみたいな、そういう気持ちは一回も抱かなかったですね。

 青山さん 本当におっしゃる通り、千夏に言いたいことがたくさんあって、それはネガティブなことが多いんですけど、根底に流れているのは別の感情なんですよね。それが多分漏れ出ていて、緊張感のあるシーンも「寂しい」の中にどこか温かさがあるような、根底に流れている温度をすごく感じられるシーンになっている気がします。

 千葉さん 千夏と夢佳が掛け合うシーンは、僕はもっとエグいかなと思ったんですけど、それとはまた違ったアプローチというか。僕にとって、夢佳は常に地雷を踏み抜かれている感じなんです。千夏先輩の頑張りやこれまでの葛藤を知らない人が何か言っているという。その地雷を踏み抜く感じが意図的なのかそうじゃないのかが分からないので振り回されてしまう。また、夢佳と対する千夏先輩がすごく新鮮だったので、そこが引き出されていってるなとすごく感じました。だから、僕としてはちょっと蚊帳の外感といいますか。

 上田さん、青山さん (笑)。

 千葉さん あと、青山さんは年齢感の作り方がこれまでのレギュラーメンバーとはちょっと違うなと思いました。やっぱり他校の人って年上なのか年下なのか分からないところもあるので、それを鑑みてキャスティングされていたりするのかなと。

 --青山さんは年齢感を意識した?

 青山さん していたんだろうか……あんまりしていなかったかもしれないです。夢佳に関しては、とにかくメンタリティーが自分が昔から感じてきたものとそっくりそのままというか。夢佳が人に対して感じているもの、私が人に対して感じてきたものが一緒で、「高校生らしくやろう」よりも「今のこの気持ちを出そう」ということを大切にしました。

 --Season2の見どころを教えてください。

 青山さん 先ほど千葉さんもおっしゃっていたように、夢佳という存在が出現するということで、Season1では見られなかった千夏の表情や言葉使いなど新しい一面が見られる楽しみがあると思います。あと、夢佳に感情移入できる方も多いのではないかと。彼女はどう踏ん切りをつけたらいいか分からない感情を持っていて、それを千夏や大喜たちがどう受け止めるのかは勉強になるなと思ったので、そういったところも楽しんでいただければうれしいです。

 上田さん 千夏はどんどん気持ちが見えてきて、自分の中でも整理がついていったり、一歩踏み出すことができるようになったり、変化が見られるSeason2になっています。その変化を感情移入しながら見ていただくのも、「千夏頑張れ」という気持ちで見守っていただくのもいいと思います。あとは、大喜との関係がどうなるのか、気になりますよね? そこも夢佳とのエピソードと深く関わっています。部活も恋愛も、密度が高い状態で描かれていくので楽しんでください。

 千葉さん Season1のほうが出来事としては多くのことが起きて説明しやすいのですが、それが噛み合ってくるのがSeason2なのかなと思っています。「アオのハコ」の懐の深さを感じさせられるようなSeason2になっているなと思いますし、本当に恋愛面と部活面が非常に絡み合っている作品なんだなと改めて感じます。大きな山場もありますし、Season2まで見てやっと「アオのハコ」のスタートなのかなと思っています。

 夢佳はどのような波乱を巻き起こすのか、一体何者なのか、千夏と大喜はどうなるのか。Season2では、より深い「アオのハコ」の物語を楽しめるはずだ。(しろいぬ/MANTANWEB)

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