YOASOBI:「ブラッサム」主人公モデル宇野千代との出会いが“ターニングポイント”に 主題歌制作の裏側「宇野先生と一緒に書いている感覚」

連続テレビ小説「ブラッサム」取材会に出席したYOASOBI
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連続テレビ小説「ブラッサム」取材会に出席したYOASOBI

 俳優の石橋静河さんが主演を務める2026年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブラッサム」(総合、月~土曜午前8時ほか)が9月28日にスタートした。主題歌を担当する音楽ユニット「YOASOBI」が、楽曲「咲き誇れ」制作の裏側や、主人公・葉野珠(石橋さん)のモデルとなった作家・宇野千代(1897~1996年)への思いを語った。

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 「ブラッサム」は、明治、大正、昭和を駆け抜け自由を求め続けた作家・宇野千代をモデルとした物語。主人公・葉野珠(石橋さん)が、故郷の山口・岩国を飛び出し、魅力的な人々との出会いによって、夢を手繰り寄せ、大正・昭和の激動の時代へと突き進んでいく。

 --宇野千代と同じ山口県出身のAyaseさん。「ブラッサム」の主題歌を担当するに当たり、実際に岩国を訪れたそうですが、このときの経験が楽曲制作に生きたと感じることはありますか?

 Ayaseさん 本当に全てが楽曲制作に生きました。今回のお話をいただくまで、失礼ながら宇野千代先生のことを存じ上げていなくて。実際に先生の書かれた作品や、(自伝的小説の)「生きて行く私」を読ませていただいて、同じ山口県民としても、楽曲を担当させていただく人間としても、先生が生きた場所にちゃんと行かないと書き切れないなと思ったんです。それで実際に足を運び、生家も見させていただきましたし、先生の生きた街を見て、空気に触れて……。岩国から帰ってきた次の日に一気に書き上げたぐらい、本当に全てに影響を与えてくれましたし、先生の生きた証みたいなものを拾い上げることができたなと思っています。

 --「生きていく私」を読んで感銘を受けたということですが、どういったところに魅力を感じますか?

 Ayaseさん 宇野先生との出会いは、僕の人生においてターニングポイントになったと言っても過言ではないぐらい、鮮烈で衝撃的でした。今を生きていて、未来をずっと見ているようなポジティブさ。どんな困難があっても、軸がぶれない。僕自身も将来のことや楽曲制作で思い悩むこともあり、浮き沈みの激しい日々を送っていたタイミングだったので、すごく勇気づけられましたし、今でも精神が落ちそうになったときは、“自分の中に宇野先生を憑依させる”じゃないですが、「宇野先生だったらどういうふうに今の困難を楽しむんだろうか」と考えます。未来のことも嬉々(きき)として考えられるようになったので、全てにおいていい影響を与えてくださったなと思っています。

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 --“小説を音楽にするユニット”として活動しているYOASOBI。主題歌「咲き誇れ」を制作するにあたり、楽曲のもととなる原作小説を芥川賞作家の綿矢りささんが書き下ろしていますが、綿矢さんの小説が楽曲制作にどのような影響を与えたのでしょうか?

 Ayaseさん 綿矢さんの小説の中で描かれている少女の主人公も、宇野千代さんと出会うことで、考え方や行動に影響を受けていきます。まさに今の自分と重なったというか、僕も先生と出会うことで一歩踏み出す勇気をいただけました。小説自体をリンクさせるというよりは、同じ気持ちとして、同じ先生の思いに感銘を受けた人間として、自分を重ねて書いたというような感じです。

 --朝ドラの主題歌を制作、歌唱するうえで、意識したことはありますか?

 Ayaseさん ドラマを見てくださる方にとっては、毎日耳にする歌になりますので、最初は「朝聴くもの」ということをすごく考えました。感覚的な話になるのですが、結局は宇野先生の思いのままに書いたといいますか……。事前に台本や宇野先生の作品を読ませていただいて、「ブラッサム」にどういった歌があるといいか。宇野千代という人がいて、そこからなる葉野珠の人生をいろいろな人が見ていく中で、どういう音楽があって、物語が始まっていくとすてきかなと、真剣に向き合って作りました。

 ikuraさん 毎朝、葉野珠さんのストーリーが描かれていく中で、どんなシーンでも必ずタイトルバックで曲は流れますし、どんなストーリーの中でも力強く生きた宇野千代さんの魂がちゃんと歌に乗るようにということは、すごく意識しました。ただ、力強さで押すということではなく、軽やかにスキップしながら、楽しく歩んでいる葉野珠さんをイメージしながら歌ったので、それが皆さんの中で、朝起きたときや家を出るときに、背中をふわっと押してくれるような、そんな歌声になっていたらいいなと願っております。

--「咲き誇れ」という楽曲は、YOASOBIのお二人にとって、どのような存在になったのでしょうか?

 ikuraさん モデルとなった宇野千代さんの生きざまが本当にかっこよくて。幸せも不幸せも全部抱きしめて、一つ一つの選択がいいものになったとしても、そうじゃなかったとしても全部を受け入れて、力強く真っすぐ生きていく。歌声を乗せるにあたって、すごくリスペクトを感じました。その物語を歌わせていただくからこそ、自分の感情とリンクさせながら歌わなければいけないという思いで歌っていて。自分が葉野珠さんとして、せりふのように歌詞を歌うときに、自分の口から出ていく言葉に勇気づけられたり、背中を押されたり、そういった感覚がすごくあって。自分自身も勇気をもらいましたし、きっとこの楽曲を毎朝聴いていただいて、お子さんから大人まで、皆さんが口ずさんだときに、歌いながら強くなっていけるような、そんな歌になってくれたらうれしいなと思っています。

 Ayaseさん 僕にとって、宝物のような楽曲になったと思っています。「作れてよかった」と、ここまで思える楽曲もなかなかないというか。ここ最近作った楽曲の中でも、完成までの速度がとても速かった。メロディーを思いついて、構成を思いついて、どういった音を使いたいと思って、歌詞のフレーズが決まって……。たまにそういうことがあるのですが、楽曲側に呼ばれている感じというか。僕が生み出しているんだけど、宇野先生と一緒に書いている……とまで言うとちょっと恐縮ですが、本当に呼ばれて書いているような、あるべくして曲が生まれていく感覚がありました。僕らにとって大事な楽曲になると思いますし、曲を聴いてくださった方にとっても大事な曲になってくれたらいいなと思います。

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