梶原岳人×岡本信彦:「ブラッククローバー」インタビュー 5年ぶり新作テレビアニメ 収録で「限界を超える」

アニメ「ブラッククローバー」に出演する梶原岳人さん(左)と岡本信彦さん
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アニメ「ブラッククローバー」に出演する梶原岳人さん(左)と岡本信彦さん

 田畠裕基さんのマンガが原作のテレビアニメ「ブラッククローバー」の新シーズンとなる2nd Season(セカンドシーズン)がテレビ東京列ほかで10月3日午後11時から放送される。原作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)で2015年2月に連載を開始し、2023年12月に「ジャンプGIGA」(同)に移籍。2026年5月1日に同誌で最終回を迎え、約11年の連載に幕を下ろした。2023年6月公開の劇場版「ブラッククローバー 魔法帝の剣」以来、約3年ぶりの新作アニメで、テレビアニメシリーズが放送されるのは2017~21年に放送された前シリーズ以来、約5年ぶり。ファン待望の新作となる。主人公・アスタ役の梶原岳人さん、五つ葉の魔導書に宿っていた反魔法の悪魔・リーベ役の岡本信彦さんに、新作への思いや収録の裏側を聞いた。

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 ◇悪魔同化(ユナイト)するとどうなる?

 --約5年ぶりの新作テレビアニメです。再始動すると聞いたときの率直な感想は?

 梶原さん 新たなテレビシリーズが動くかどうか、僕は聞いていなかったです。映画を終えて「次はいつ頃になるんだろう」と話していたくらいでしたし、続きをまたテレビシリーズとして演じられることを心待ちにしていました。ぜひ完結までやりたいと思っていましたし、本当にうれしかったです。今回は、絵の力が特にすごいです。監督ともお話ししましたが、1st Seasonは170話を一気に連続で作っていたのに対し、今回はしっかり時間をかけて作れるため、より一層力が入っていると感じました。


 岡本さん リーベは、1st Seasonのラスト辺りに登場したきりだったので、あそこで終わったままだったら悲しいなと思っていて(笑)。ただ、その後に映画があったので「映画に出られる!」と思ったら、セリフ数が1ワードでしたしね。だからこそ、満を持しての2nd Seasonでようやくしっかりしゃべれる展開になり、お芝居でリーベを表現できるのがうれしかったです。僕は元々「ジャンプ」読者ですし、原作でリーベのキャラクター性は知っていました。ただ、悪魔同化(ユナイト)した後もそうですが、アスタは「黒」のイメージが強く、タイトルが「ブラッククローバー」ということもありますが、原作も黒の塗りが多いので、アニメーションとしての表現を楽しみにしていました。出来上がっている映像の一部を見ても、戦闘シーンが本当に格好いいんです。

 --収録現場の雰囲気は?

 梶原さん 最初はすごく緊張していました。デビューして半年ほどで始まった作品で、自分の人生で一番長く演じてきたキャラクターでもあるので、当時の自分の固さを思い出してしまって……。過去の自分やアスタを踏まえたうえで、より力強くあらねばならないと思うと緊張やプレッシャーがあり、心臓がバクバクしていました。当時は1話から1年くらい、音響監督の高桑(一)さんに居残りレッスンをしていただき、強くしてもらった経験があったので、そうした思いも駆け巡っていました。

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 岡本さん 5年もたっていることもあり、地続きであることを意識しつつも新しく作り直す部分があっていいのかなと思いながら演じていました。がっくんは、1st Seasonが始まった9年前の芝居と積み上げてきた今の芝居は当然違いますし、前よりもパワーアップしているんじゃないかな。今回は、キャラクター数も多く、想像を超えるすさまじい芝居に圧倒されることもありました。

 --二人は一緒に収録した?

 岡本さん 基本的に一緒に収録させてもらいました。合わせるセリフも多かったですし。

 梶原さん 悪魔同化(ユナイト)すると基本的に2人同時にしゃべります。アスタの悪魔同化(ユナイト)状態でもかなりセリフが多いので、どうなるんだろうと思っていたのですが、要所要所でリーベが心の中でしゃべって、外に出る音としてはアスタがしゃべる形になって少し安心しました(笑)。全部が合わせゼリフだったら難しいですからね。

 岡本さん 気持ちが入るとどうしても合わせるのが難しいので、それが成立するのは2行くらいまでですから(笑)。何十行も重なると難しいので、要所での合わせゼリフに全力を注げてよかったです。

 --現場で「ブラクロらしさ」を感じることもあった?

 岡本さん 音響監督の高桑さんは、お父さんであり頼れる兄貴肌のような存在で、現場でがっくんをいじるんです。がっくんが集中砲火を浴びるのを見て「ブラクロの現場に帰ってきたな」と感じています(笑)。

 梶原さん 右も左も分からない新人時代から一緒にやってきた仲間ばかりなので、当時の感覚がよみがえります。僕は自分から会話を広げるのが下手なタイプなんですが、先輩方が話を振って輪に入れてくれた当時の感覚を思い出しました。黒の暴牛のメンバーとは毎週のようにご飯に行っていましたし、昔の感覚で掛け合えることが本当に居心地がいいです。

 ◇梶原岳人の葛藤

 --演じていて熱くなったシーンは?

 岡本さん リーベの過去が明らかになり、感情をむき出しにするシーンは、演じていて熱が入りました。「出来損ない」とさげすまれていた2人が、上位悪魔や格上の魔法使いに対して下克上を果たしていく構図にも熱くなります。2人が諦めずに頑張るというカタルシスや爽快感は、作品屈指の見どころだと思います。

 梶原さん リーベとアスタの共通点である母親の話が出てくるところも熱いです。アスタとリーベが気持ちを共有していく場面があります。彼の深い部分に触れられましたし、役としてより深く落とし込むことができました。アスタの新たな一面を表現できたと感じています。

 --作品のキーワードである「限界を超える」を実感した瞬間もあった?

 梶原さん 「ブラクロ」の現場は常に「自分の中の弱い部分との戦い」です。負けそうになることが多く、演じる中でしんどいと思うことも多々ありましたが、そんな自分に打ち勝ちたい、限界を超えたいと常に思ってやってきました。精神的な部分で、過去の自分を超えたいというプレッシャーと戦い続けています。まだまだ超えられる限界はいっぱいあると感じています。

 岡本さん 自分だけでなく「チームワーク」で「限界を超える」という気持ちがあります。1st Season以上に面白いものを作るために、全員が「もっと上を目指そう」という気概で取り組んでいます。アフレコでも、アスタとのバランスを常に考えていました。バトルシーンでは同じ方向を向き、感動的なシーンではアスタを引き立てるように意識するなど、チームとしての総合力で限界を超えていこうとしていましたね。

 --岡本さんが、梶原さんと共演する中で感じた役者としての印象は?

 岡本さん がっくんは、いい意味で天然で、根っからの「主人公属性」だと思います。「自分はこう演じたい」「アスタをこう表現したい」という頑固で熱い芯があると同時に、現場で求められる表現や全体バランスとの間で苦しみ、もがいている。狭間で葛藤する姿が、まさにアスタそのものなんです。主人公は、理屈だけで説明がつかない気合やビリーブ力(信じる力)が必要な難しいポジションです。がっくんが持つエンジンや声の強さ、そしてその天然さが、アスタの泥臭い突破力と見事にリンクしていると感じます。

 梶原さん なんでそこまで見抜かれているんですか……。驚きました(笑)。1st Seasonの終わり頃、帰り道に岡本さんに相談させていただいたこともありましたが、僕には「こう演じたい」という思いがあるけど、自分を抑え込んでしまうところがあったんです。周りの目を気にせず突き進みたい自分との葛藤がありました。岡本さんのような広い視野で全体を見てくださる先輩の存在には本当に救われています。

 岡本さん がっくんがアスタを演じているときの必死な叫びは、本人の葛藤から出てくるので本物なんだと思います。2nd Seasonは、さらにもがいて、泥臭く前に進もうとするがっくんの強い気合を間近で感じていました。「ブラッククローバー」は、「努力・友情・勝利」という少年マンガの王道をどこまでも真っすぐに表現し続けてくれている作品です。2nd Seasonでは敵もさらに強くなり、アスタや仲間たちの魔法バトルも圧倒的にパワーアップしています。その熱いバトルと二人の絆を、ぜひ楽しみにしていてください!

 梶原さんと岡本さんら声優陣は支え合いながら、限界に挑み続けているようだ。二人の強い絆で突き進む魂の演技から、その圧倒的な熱量を感じてほしい。(阿仁間満/MANTANWEB)

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