ゲゲゲの女房:クランクアップで松下奈緒号泣「無事終えることができる」

「ゲゲゲの女房」クランクアップセレモニーに登場した松下奈緒さん(左)と向井理さん
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「ゲゲゲの女房」クランクアップセレモニーに登場した松下奈緒さん(左)と向井理さん

 女優の松下奈緒さん(25)が主演するNHKの朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」が18日、NHK放送センター(東京都渋谷区)でクランクアップし、セレモニーに松下さんと夫・水木しげるを演じた向井理さん(28)が登場した。松下さんは「ようやく今日をもって撮影を終了することができました。多くの人に支えられて(放送開始時間が午前)8時になってからの“初代ヒロイン”という役割を無事に終えることができると思います」と涙で声を詰まらせながらあいさつした。

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 松下さんは、これまでのダイジェスト映像が上映され始めると口を手で押さえて目に涙をため、神妙な面持ちで映像を見つめた。時折、笑顔を見せたり、向井さんとほほえみ合ったりしたが、あいさつやねぎらいの花束を受け取る際には目を真っ赤にして涙を流し、脚本家の山本むつみさんと抱きあった。「昨日の夜から寝られなかった」という松下さんは「思い出が走馬灯のように思い出される。大変なこともたくさんありました。25歳で朝ドラのヒロインなんてご縁がないと思っていた」と振り返った。また「今日終えたことが一つの自信になって、これから先、女優として人生を歩いていけるならば、人を幸せにできる役者になりたい」と語り、「(撮影を始めてから)9カ月間、ありがとうございました」と最後は感極まったように号泣した。

 「まだ終わった実感がない」と話した向井さんは、「(撮影は)プレッシャーの中から始まった。水木しげるという“巨人”をどう砕いて、のみ込んで、出してやろうという思いだった。自由にやらせていただいて、結果的にたくさんの人に見ていただいて、本当に自分は幸せだなと思う」とコメント。また「水木しげる役をやることはもう一生ないと思うともっとやる方法がなかったかと後悔もする。達成感と喪失感といろんなものがごちゃ混ぜになっている」と本音を漏らした。最後は「見てくれた人、スタッフ、キャスト……誰とは限らず、みなさん本当にありがとうございました」と頭を下げた。

 「ゲゲゲの女房」は、マンガ「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、水木しげるさんの妻・武良布枝(むら・ぬのえ)さんの自伝「ゲゲゲの女房」が原案。楽天的で働き者の主人公・布美枝(松下さん)が「水木しげる」こと夫の村井茂(向井さん)とお見合いをし、結婚。貧乏生活の中、命懸けでマンガに打ち込む夫を支えながら、おおらかに生きる布美枝の姿が描かれている。09年11月14日から撮影を開始し、初回視聴率は14.8%(3月29日、関東地区、ビデオリサーチ調べ)で歴代ワースト1位だったが、徐々に数字を伸ばし、17日時点での最高視聴率は21.8%(7月12日)、期間平均視聴率は18.0%となった。

 最終の収録シーンは、9月23日放送予定の第154回で、舞台は1986(昭和61)年の調布の家。パーティーに向けて茂が布美枝に「着物を作れ」と言うシーンだった。ドラマは9月25日まで放送される。(毎日新聞デジタル)

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