SEKAI NO OWARI:新曲はFukaseとSaoriの大げんかから生まれた

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 4人組バンド「SEKAI NO OWARI」が、1日にニューシングル「RPG」をリリースした。今作は、現在公開中の劇場版アニメ「映画クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル!!」の主題歌に採用されているナンバーで、幼なじみで結成した4人らしく、仲間、絆、冒険をテーマにしている。そんな古くからの友人でもあり、今も共同生活を送っているというメンバーに、バンド誕生のエピソードや、新曲の制作秘話などについて聞いた。(水白京/毎日新聞デジタル)

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 −−4人はもともと幼なじみだそうですね。

 Fukaseさん:僕とSaoriちゃんが幼稚園から一緒で、Nakajinとは小学校から、(DJ)LOVEとは高校から一緒でした。

 Saoriさん:みんな、Fukaseとは友だちっていう感じで。最初、06年にFukaseとNakajinが「ライブハウスを作ろう」って言って、そこに私やLOVEが呼ばれて掃除をしたり楽器を運ぶのを手伝ったりしてるうちに仲よくなって、バンドを組もうということになりました。

 −−LOVEさんはなぜピエロのお面をかぶっているんですか?

 DJ LOVEさん:その当時は、先代のLOVEと呼ばれているサポートメンバーがいて、顔を出したくないっていうことでマスクをかぶってたんですけど、そのメンバーが抜けるタイミングで、そのまま(名前とマスクを)引き継ぐ形になりました。プライベートでは(DJ LOVEであることを)気にすることがないのはプラスですけど、一切モテないっていうのはマイナスですね(笑い)。可愛い女の子からバーで「もしかして(LOVEさんですか)?」とかって絶対ないですから。

 −−そんな皆さんはほかの友だちも含め、シェアハウスで共同生活をしているそうですね。今までで印象的な出来事はありましたか?

 Fukaseさん:みんなでお肉を買いだめしてたことがあったんですよ。それがリビングの冷蔵庫に入りきらなくて、地下1階がスタジオなんですけど、スタジオの冷蔵庫に全部入れちゃってたんです。そしたらNakajinがレコーディングをするときに、冷蔵庫の音がうるさいっていうので電源を切って。それで切ったまま……。

 Nakajinさん:2週間後くらいにそれに気づいて……。普段その冷蔵庫を使っていれば俺もコンセントを戻したと思うんですけど、またレコーディングするし、抜きっぱなしでいいやって思ってたら……ダメでしたね。しかも夏だったんですね、これが(笑い)。

 −−なるほど(笑い)。話は変わりますが、SEKAI NO OWARIの音楽は、ファンタジックという言葉で形容されることが多いですが、そうした音楽性に至った背景は?

 Fukaseさん:僕、夢をよく見るんですよ。夢の中で見た世界観や空気感が僕の中ですごく残るというか、夢でメロディーが鳴ってたりすることもあるんです。それが実際にいいメロディーであることはほぼないんですけど、そういう世界観を表現したり、生み出す喜びみたいなものがあって、夢の中で感じた感覚をそのまま描写に入れたりっていうのはすごくありますね。

 −−では新曲「RPG」についてお聞きしたいのですが、実は11年にFukaseさんとSaoriさんが大げんかしたことがきっかけで歌詞が生まれたそうですね。どんな状況だったんでしょうか?

 Fukaseさん:11年ともなると音楽でゴハンを食べていけるぐらいまでにはなっていて、そこまでくるのが目標だったというか。でも、「(バンドは解散の危機で)もう自分のやりたいこともできないかもしれない。俺はこの先どんな音楽を書いていけばいいんだろう、なんのために音楽を書いていけば……」と迷いまして。

 Saoriさん:Fukaseは酔っ払って骨を折っちゃうようなハチャメチャな人で、「もうお前にはついていけん」って話になって、いったんホントに(バンドを)やめようかと悩んだんです。でもやっぱり、もう1回、頑張りたいっていう気持ちを込めて私はサビを書きました。だから(サビの歌詞は)、「僕らはもう一人じゃないんだ」って言い切ってるわけじゃなくて、もう一人になりたくないし、なるべく誰も一人にならなければいいなっていう期待半分、不安半分みたいな気持ちで。そのサビを受けて、Fukaseがそれ以外の部分を書いてくれた感じです。

 DJ LOVEさん:詞の共作が初めてで、そういう意味でも新しいし、エモーショナルなSaoriさんが書いた歌詞と、Fukaseが書いた部分の対比が面白いなって。

 Nakajinさん:サウンド的には行進(マーチ)っぽい感じというか、ドラムセットではなくて、大太鼓だったり、スタンドに立ってるクラッシュシンバルじゃなくて、ハンドシンバルを実際に使ってみたり。そのあたりはかなり細かく作り込みましたね。

 −−ちなみにそのとき、FukaseさんとSaoriさんはどうやって仲直りしたんですか?

 Fukaseさん:僕は大阪にいたんですけど、自転車を買ってそこから京都までとりあえず行ったんです。そのときにSaoriちゃんに「京都に来るか?」って聞いたら「来る」っていうことで、Saoriちゃんも京都に来て。まあ、それはそれはとっても怒っていたんですが、懐石料理とふぐ料理を食べさせることによって解決しました。

 −−Saoriさんは、そのお料理に満足したということですね。

 Saoriさん:そうですね。次のケンカのときは何が待ってるのか楽しみです(笑い)。

 <プロフィル>

 メンバーは、Fukaseさん(ボーカル&ギター)、Nakajinさん(ギター)、Saoriさん(ピアノ)、DJ LOVEさん(DJ)の4人。11年8月にシングル「INORI」でメジャーデビュー。DJ LOVEさんが初めてハマッたポップカルチャーは、「キン肉マン」のマンガ。「うちは兄弟の年がすごく離れてまして、姉とは11歳、兄とは8歳離れてるんですよ。なので、保育園に通ってた5歳くらいのときから『キン肉マン』のマンガが家にあって、それが初めて読んだマンガなんです。毎日読んでました。ほかにも、その当時『週刊少年ジャンプ』(集英社)に連載されてたような作品は家に(コミックが)ありましたね」と語った。

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