SPECIAL EDITED VERSION 『ONE PIECE』魚人島編
第8話 弱虫で泣き虫!人魚姫しらほし
12月22日(日)放送分
誕生40周年を迎えたバンダイの大ヒット玩具「超合金」シリーズ。「マジンガーZ」や「黄金戦士ゴールドライタン」、スーパー戦隊シリーズなど人気アニメや特撮作品などが続々と超合金として発売され、1970~80年代に多くの子どもの心をつかんだ。90年代に入ると人気は落ち着いたが、97年以降に登場した大人向けのコレクターアイテムが、今もなお“超合金世代”から支持を集めており、“子どものあこがれ”から華麗なる転進を遂げた。超合金の盛衰の軌跡をたどりつつ、“玩具業界を変えた”とも言われる革新性に迫る。
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超合金が誕生したのは1974年で、第1弾として「マジンガーZ」が発売された。ネーミングは同作に登場する架空の金属「超合金Z」に由来する。当時はブリキやソフトビニール、プラスチック製の玩具が主流だったが、超合金は、自動車関連部品などにも利用されている亜鉛合金(ダイキャスト)を使ったことが斬新だった。亜鉛合金を使用したのは“ロボットらしさ”を再現するためで、ブリキやソフトビニール、プラスチック製の玩具にはない、ずっしりと重く、触れるとひんやりとする質感を目指した。
発売当時のCMでは「強い!重い!」をキャッチコピーに、それまでの玩具との違いをアピールした。子ども向け玩具は“10万個で大ヒット”といわれる中、マジンガーZの超合金は1年間で約50万個を売り上げるほど人気商品となり、他社からも亜鉛合金製の玩具が続々と登場するなど玩具業界は“超合金ブーム”に沸いた。
超合金はその後、「勇者ライディーン」(75年発売)で変形、「超電磁ロボ コン・バトラーV」(76年発売)で合体を取り入れ、それぞれ約80万個を売り上げるなど“バブル状態”となった。さらに「Dr.スランプ」(81年)や「パーマン」(83年)などロボットアニメ以外のキャラクターも続々と“超合金化”されるなどブームは過熱した。同社のコレクターズ事業部の泉慶太さんは、飛ぶ鳥を落とす勢いだった当時の商品展開について「どの商品も好調でした。新商品を発表するたびに、合体や変形など新たなギミックを取り入れることで、子どもに飽きられないようにしていたようです」と話す。
その後、80年代前半には「黄金戦士ゴールドライタン」(81年)などのヒット商品も生まれたが、80年代後半になるとブームが一段落する。泉さんは「『ガンダム』などリアルロボット路線が流行した後、ロボットアニメの人気が落ち着いた。また、ファミリーコンピュータがヒットし、玩具の流行が変わったことも影響しているのかもしれない。80年代後半からは、スーパー戦隊シリーズなどの超合金はあったが、一時に比べると商品点数は随分減った」と分析する。
ブームが去ったかのように見えた超合金だったが、97年に大人向けコレクターアイテム「超合金魂」の第1弾としてマジンガーZを発売し、再び注目を集める。2次元で描かれたアニメのロボットが、立体物である玩具になると、アニメのイメージと少し違う……ということがあるが、泉さんが「2次元のウソ、つまり3次元ではありえないフォルムを最新の技術や設計によってできるだけ再現しようとした」と話すように、超合金魂は2次元のイメージに近い造形に“進化”した。
97年に大人向けの商品を発売した背景について、泉さんは「超合金が発売された当時、子どもだった世代が30代になり、子どものころ夢中になった玩具にノスタルジーを感じる……ということを想定し、その世代をターゲットとして考えた。また、テレビ番組(『開運!なんでも鑑定団』)などの影響で、鑑定ブームが起こり、過去のロボットアニメの玩具が再注目されたことも後押しした」と説明する。
近年は、全長13~16センチのミニサイズの「スーパーロボット超合金」(10年)、スペースシャトルや月着陸船、新幹線などを“超合金化”した「大人の超合金」(10年)なども登場。現在、大人向けコレクターアイテムのラインアップは70種類以上にもおよび、2014年3月までに累計で約273万個を売り上げるほど好調で、“1万個売れればヒット”といわれる大人向け玩具の中で、人気シリーズとしての地位を確立している。
13年には、ミッキーマウスやドナルドダックなどディズニーキャラクターの合体ロボット「超合体キングロボ ミッキー&フレンズ」を発売。40周年の今年、発表したハローキティ(6月発売)や芸術家の岡本太郎の代表作「太陽の塔」(9月発売)との“異色コラボ”も話題だ。
太陽の塔の超合金は、手足が付いたロボットに変形し、ハローキティの超合金はロケットパンチを飛ばすことができるなど本来の設定を無視した独自のギミックが用意されている。ハローキティの超合金を企画した同社のコレクターズ事業部の寺野彰さんは、企画意図を「40周年ということで、超合金のファンに面白がってもらいつつ、ハローキティ、ミッキーは知っていても、超合金を知らないような層にアピールしたかった」と話し、独自のギミックを搭載させたことについて「ネタにも見えるかもしれませんが、ネタだとしても本気でやらないと格好悪い。思い切ったギミックを取り入れている」と説明する。
泉さんは、今後の展開について「驚くようなコラボも予定している」と話しており、40周年の“祭り”はまだまだ続くという。時代とともに変化してきた超合金が、今後も“超合金世代”や玩具業界にどんなインパクトを与えていくか注目される。
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