鴻上尚史さん作・演出による4人芝居の舞台「ベター・ハーフ」の制作発表会見が21日、東京都内で行われ、風間俊介さん、真野恵里菜さん、中村中さん、片桐仁さんのキャストが鴻上さんとともに登場。“デリバリーヘルスで働く女性”という役柄の真野さんは「この舞台の情報が解禁になった時に“真野恵里菜 デリヘル嬢演じる”というタイトルだけが出回ってしまって、そういう言葉にすごく反応されるんですけど、平澤(真野さんの役名)の人間味というものも伝えていきたい」と意気込みを語った。
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「ベター・ハーフ」とは、もともと天国で一つだった魂が、現世では男性と女性に別れて生まれきた、というギリシャ時代からの思想に由来し、この世で巡り合うべき、自分にとって相性がピタリと合う“もう一人の存在”を意味する。鴻上さんは、舞台上で描かれる4人の登場人物の恋愛模様を通して「人間の基本的な好き・嫌いの感情を僕たちはどうやってつないでいったらいいのか。そういう深みにまでたどり着きたい」と意欲を見せ、また、自身がMTF(Male to Female、体は男性だが心は女性)であり、劇中でもトランスジェンダーを演じる中村さんは「自分が見てきた景色と(役名の)小早川が見ている景色には絶対差があると思うので、実体験に惑わされないようにしたい」と役作りについて語った。
「ベター・ハーフ」というタイトルにちなみ、自分にとって相性がいいものを聞かれると、風間さんは「ディズニー」、片桐さんは「ガンダムのプラモデル」と答える中で、「人間は優しくないと、運命の人に出会っても逃してしまう可能性があると思う」という中村さんの言葉に刺激を受けた真野さんは「優しい心を持ってベター・ハーフを探したい」とコメント。すると鴻上さんが「100点だね。今、“マノフレ(真野さんのファン)”の心臓、キュッとなったよ。(真野さんにとってのベター・ハーフは)俺だ!みたいな(笑い)」と話し、会場の笑いを誘った。
舞台「ベター・ハーフ」は、4月3~20日に東京・下北沢の本多劇場で上演されるほか、4月25、26日に大阪・サンケイホールブリーゼ、5月3~5日に東京凱旋公演としてよみうり大手町ホール)で上演予定。(取材・文・撮影:水白京)