シンデレラ:ディズニー最新映画に日本人女性スタッフ 27歳の癒やし系「仕事でノーと言わない」

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 4月25日に公開されるディズニー映画「シンデレラ」(ケネス・ブラナー監督)で、シンデレラが舞踏会で着る衣装の一部を日本人アーティストの宮本遥香さん(27)が手がけた。ロンドンを拠点に、映画「レ・ミゼラブル」の衣装の飾りつけや帽子のデコレーション、米歌手のレディー・ガガさんの「ボランティス」と呼ばれる空飛ぶ衣装の装置製作を担当するなど、世界を舞台に活躍している宮本さんに、話を聞いた。

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 映画は誰もが知っている「シンデレラ」の物語をベースに、シンデレラの成長と王子とのラブストーリーが描かれる。舞踏会のシーンは映画の重要な場面で、シンデレラは鮮やかなブルーのドレスで人々を魅了する。宮本さんが手がけたのは、その胸元に施された、たくさんの蝶のモチーフだ。ほかに、王子の軍服の装飾、シンデレラの義理の姉妹がスカートの下にはく針金状の「クリノリン」など、幅広く手がけた。

 柔らかい口調と穏やかな笑顔が印象的な“癒やし系”タイプの宮本さんは、自身の仕事を「なんでも屋」と表現する。「デザイナーが『これを形にしたい』といったものを実現するのが仕事です。靴の制作を大学で学んだこともあって革製品を扱うのが得意なので、『靴のディテールを変えてほしい』『手袋に刺しゅうを入れたい』『かばんを作ってほしい』といったものから、『帽子を作ってほしい』など仕事の種類もいろいろです」と説明した。

 米国アカデミー賞の衣装デザイン賞を3度受賞し、「シンデレラ」の衣装制作を指揮した、衣装デザイナーのサンディ・パウエルさんは、宮本さんを「彼女は非常に手先が器用で、繊細なディテールの物を作り上げるのが得意。また、こちらが100%説明しなくとも自分でクリエートして形にできる人。それからとにかく仕事が早い」と絶賛。さらに「どんな無理難題な仕事でも絶対に無理とはいわない。なんとか実現させる粘り強さがある」と続ける。

 宮本さんは「小さいころから物を作るのが好きだった」といい、現在、世界で活躍する姿は“シンデレラストーリー”にも思えるが、宮本さんは「全く思っていないんです。生活はいたって地味ですし、小さいころからの延長線上で今も物を作っているという感じです。こうしてインタビューを受けているのも、なんだかおかしい」と笑う。

 世界で活躍する秘訣(ひけつ)を聞くと「『ノー』とは言わない。仕事の話があったときに『できます』といってチャンスを生かすようにしています」と常に挑戦する姿勢の大切さを挙げる。「(デザイナーの)サンディ(・パウエルさん)のような自分の意思を持っていて、強い女性に憧れます」といい、「それから、いつか『ノー』が言える女性になりたいですね」とちゃめっ気のある笑顔で語った。また「(英国人の夫との間に)子供が欲しいんです」と27歳の等身大の素顔ものぞかせた。

<プロフィル>

 みやもと・はるか。1987年7月31日生まれ。広島県出身。中高生時代に趣味のテディベア作りで国内外の数々の賞を受賞。2006年に立命館大経営学部に入学した。自主退学し、08 年にロンドン芸術大学のキャンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツのファウンデーションコースを修了。09年に同大のロンドン・カレッジ・オブ・ファッションに進学し、靴のデザインを学ぶ。10年に同大のチェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインのテキスタイルデザインに編入し、11年に修了。同年に米国のバンド「ブラックアイドピース」の世界ツアー用のステージ衣装と靴を製作。映画「レ・ミゼラブル」、「ワンチャンス」などの衣装の一部なども担当した。

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