「マルドゥック」シリーズ:「最初は50枚の短編だった…」 冲方丁が10年ぶり新作記念トークショーで明かす

「マルドゥック・アノニマス」1巻の発売記念イベントに登場した寺田克也さん(左)と冲方丁さん
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「マルドゥック・アノニマス」1巻の発売記念イベントに登場した寺田克也さん(左)と冲方丁さん

 冲方丁(うぶかた・とう)さんのSF小説「マルドゥック」シリーズの約10年ぶりとなる新作「マルドゥック・アノニマス」(早川書房)1巻の発売を記念して、2日、アニメイト池袋本店(東京都豊島区)で冲方さんとイラストを手がけた寺田克也さんのサイン会とトークショーが開かれた。冲方さんは同シリーズの誕生秘話を「最初は50枚の短編で原稿を書いたけど、どこも出してくれなかった。どう売っていいのか分からない?と言われ、放浪した。(早川書房の編集者の)塩澤(快浩)さんが現れて、(原稿を)もらいますとなった」と明かした。

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 2003年発売のシリーズ1作目からイラストを手がける寺田さんは「最初に読ましてもらい、長い……となった。長いのが好きだし、面白かった。すごく気合が入った。幸せな出会いです」と話し、新作の表紙のイラストについて「iPad Proで描いた。これで仕事ができるんですよ! SFです」と語った。

 シリーズ第1弾の「マルドゥック・スクランブル」は、賭博師・シェルの計画によって、命を落としたかけた少女・バロットが、委任事件担当官にして万能兵器のネズミ・ウフコックの助力で再生し、自らの存在証明のために事件を追う姿が描かれた。前日譚(たん)の「マルドゥック・ヴェロシティ」も人気を集めた。シリーズ累計発行部数は70万部以上で、劇場版アニメも公開された。

 新作「マルドゥック・アノニマス」は、2006年に発売された「マルドゥック・ヴェロシティ」3巻以来の新作。「マルドゥック・スクランブル」から2年後が舞台で、バロットが勉学の道に進み、ウフコックは新たなパートナーのロックらと事件解決の日々を送っていたが、街の新たな勢力と戦うことになる……というストーリー。

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