とと姉ちゃん:“朝ドラ女優”ブレークの秘密 「森田屋」秋野暢子&ピエール瀧が語る

「とと姉ちゃん」に主人公・常子役を演じている高畑充希さん(右)と妹・鞠子役の相楽樹さん
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「とと姉ちゃん」に主人公・常子役を演じている高畑充希さん(右)と妹・鞠子役の相楽樹さん

 波瑠さん、土屋太鳳さん、黒木華さん、松岡茉優さんらNHK連続テレビ小説のヒロインや脇役から大ブレークする女優が、今期の民放ドラマで主要な役どころを務め、まさに花盛りだ。放送中の朝ドラとと姉ちゃん」で、ヒロインが身を寄せる仕出し屋の女将を演じる秋野暢子さんも1975年放送の「おはようさん」のヒロインを務め、全国区の女優になった。そんな秋野さんと、息子役のピエール瀧さんに、“朝ドラ女優”ブレークの秘密を聞いた。

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 「とと姉ちゃん」は、生活総合誌「暮しの手帖」創業者の大橋鎭子(しずこ)の軌跡をモチーフとしたドラマ。11歳で父を亡くしたことを境に家族の父代わりとなった小橋常子(高畑充希さん)が浜松から上京し、女性向けの雑誌を創刊。高度経済成長期を生きる女性に支持されていく……というストーリー。秋野さんは、常子ら小橋家が身を寄せる深川の老舗の仕出し屋「森田屋」の女将まつを演じ、瀧さんはその息子で板前の宗吉を演じている。ドラマには、ヒロイン高畑さんをはじめ、小橋家3姉妹の次女鞠子役の相楽樹さん、三女美子役の杉咲花さん(子役は根岸姫奈さん)、常子の親友・中田綾役の阿部純子さん、森田屋の長女富江役の川栄李奈さんらの若手女優たちが出演している。

 秋野さんはデビュー直後の41年前、「おはようさん」のヒロインに抜てきされ、その後、ドラマや映画、バラエティーに出演し、人気女優への足がかりとなった。秋野さんは当時と比較して、「本当にみんなしっかりしている。私が若い頃ってこんなにしっかりしていたかなって思う。当時テレビや映画は特殊なものでした。そこに自分が入るなんてことは子供の頃はこれっぽちも考えていなかった。今の子はテレビもあって、インターネットもあって、普通の女の子がきっかけ次第でスターになれる時代。テレビに出る、芝居をする、ということが特殊じゃないってことなんだと思う」と語る。

 特にNHKの“発掘力”に注目している。 特にNHKの“発掘力”に注目している。「朝ドラのヒロインはもちろん、脇を固める役者さんや子役さんたちも含めて、ものすごい人数がオーディションに参加すると伺いました。その中から選ばれた方々なのだから、本当にちゃんとしている。よっちゃん(根岸さん)も、他の子役さんと比べてしまうと抜群にいいんですよね。制作スタッフはさすがだなと思います」と絶賛する。

 瀧さんは「みんなビビッてないですよね。自分がその立場だったら相当ビビると思うんですけど、考え方もしっかりとしているし。勝手な持論ですけど、僕らが子供の頃って自分の動きを動画で見ることってなかったけれど、今の子供たちは生まれた瞬間から動画が残っていて、生まれてからこれまで半端のない量、カメラを向けられ、そこで何かを要求されるってことに慣れている。テレビや映画の現場は違うとは思うけれど、カメラを向けられて、立ち居振る舞いを誰もが分析することができるというのが背景としてあるのかな」と分析する。

 朝ドラ女優花盛りの背景に、NHKのオーディション力と“動画ネーティブ”世代が持つ自己の客観視力を挙げる2人。「とと姉ちゃん」の物語は、今後も3姉妹を中心に生き生きとした女性たちの姿が描かれていく。次なるブレーク女優が誰か、注目だ。

 「とと姉ちゃん」はNHK総合で月~土曜午前8時ほかで放送。全156回を予定。

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