話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、諫山創さんの人気マンガが原作の「進撃の巨人」シーズン2です。アニメ制作会社WIT STUDIOの中武哲也プロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。
ウナギノボリ
「光る君へ」より昔! 最も古い時代の大河ドラマは? 1976年「風と雲と虹と」のあらすじ
突如現れた巨人の侵攻で壁の中に住む人類の100年の平和が破られます。巨人に母を食い殺された主人公エレンは、巨人を一匹残らず駆逐すべく、軍閥の一部の革新派・調査兵団に所属し、立体起動装置を駆使して巨人と戦い、仲間たちと共にその秘密を解明すべく挑み続けます。巨人化できる人間、人類に隠された秘密、緊張感を保ち続けるストーリー演出は人気の海外ドラマ(?)を見ているような気持ちになります。シーズン2もハラハラしつつ、面白いです。
荒木哲郎総監督の高い演出力によるオープニングや、各話の感情が高ぶるシーンの繊細なコントロールで際立った進撃らしさを作ります。肥塚正史監督には、よく練られた統率力とバランスで現場を率いてもらっています。
ビジュアル的な見せ場の強化としては、アクション作画監督の今井有文さん、世良悠子さん、胡拓磨さんの3人それぞれに得意な話数を持っていただき、攻撃的なアクションシーンを実現。総作画監督の門脇聡さん、山田歩さんのフルパワーな顔芸作画や巧みな芝居コントロールで、キャラクターインパクトをググッとアップ。キャラクターデザイン・総作画監督、浅野恭司さんの思い描いているテーマ、作画クオリティーの“維持と意地”で毎週の納品を乗り越えています。
シーズン1を制作中の時のことを思い出しました。WIT STUDIOを立ち上げたばかりで、準備期間はウキウキワクワク夢いっぱいでしたが、実制作に突入すると、会社の運営と作品制作に日々追われながら、ヤフー!ニュースに記事が上がったり、ツイッターのスタッフ募集でWITがネットで炎上しましたが、当時は笑えず、全てシリアスに受け止めていました。今はネタにしています(笑い)。制作チームは脱落せず、スタッフの皆さんも我慢と意地で付き合ってくださり、その年のヒットアニメになることができました。
シーズン2を制作中の今、当時お仕事をしてくださっていた方々と今も仕事ができていることと、作品が結果的に評価を受けたことがうれしかったことです。WIT STUDIOを一歩ずつ良い環境のスタジオにしていき、真に実力のある会社にしていきたいと思っています。
シーズン2は、各人物それぞれに感情移入できるお話作りになっていて、毎話、衝撃的なせりふと共に、我々を泣かせてくれてます。しっかりとしたサスペンス物としてだけでなく、群像劇としてもとっても面白いお話しが見られますので、ぜひご視聴ください。
将来、つきたい職業アンケートで、「絵に携わる仕事」が上位に入っているという記事を最近見ました。我々が作っている作品を見た中学生、高校生の皆さんが「大人になっても面白そうなことがありそうだ」とか「なんか面白いことやりたいな」のような気持ちになっていただけるようなことをいろいろ試みていきたいと思っています。世間には面白いこと結構ありますが、「進撃の巨人」もとっても面白いので、ぜひご視聴ください!
WIT STUDIO 共同創業者・取締役 中武哲也 「進撃の巨人」アニメーションプロデューサー
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