劇場版アニメ「BLAME!」(瀬下寛之監督)が新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほかで20日から2週間限定で公開される。「シドニアの騎士」で知られる原作者、弐瓶勉(にへい・つとむ)さんが総監修として全面協力し、原作を再構成した完全新作ストーリー。「シドニアの騎士」のアニメ化も手がけた瀬下監督とポリゴン・ピクチュアズが製作し、人類が違法居住者として駆除、抹殺される暗黒の近未来を舞台に、増殖を続ける階層都市で孤独な旅を続ける男の姿を描く。
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原作は、弐瓶さんが1997~2003年に「月刊アフタヌーン」(講談社)で連載したデビュー作だ。過去の「感染」で正常な機能を失い増殖し続ける階層都市。都市コントロールへのアクセス権を失った人類は、防衛システム「セーフガード」に駆除、抹殺される存在になっていた。セーフガードの脅威と食糧不足で絶滅寸前の危機である「電基漁師」の村人たちを救うべく、少女づるは食糧を求めて旅に出るが、「監視塔」に検知されセーフガードに襲われる。仲間を殺され退路を断たれたづるの前に、“この世界を正常化する鍵”といわれる「ネット端末遺伝子」を求める探索者・霧亥(キリイ)が現れ……という展開。櫻井孝宏さんが霧亥、花澤香菜さんが科学者シボ、雨宮天さんがづるの声を担当。山路和弘さん、宮野真守さん、洲崎綾さんも出演している。
劇場版アニメは重厚で近未来感あふれるSF要素が満載の世界観ながら、原作者の協力で細かい部分で設定変更され、より分かりやすくドラマチックな内容になった。重力子放射線射出装置が超構造体をぶち抜く迫力のシーンや、すさまじい戦闘力を持つセーフガード、サナカン(声・早見沙織さん)が大暴れする姿など、原作ファンへのサービスカットも詰め込まれている。原作を未読でも、1本の独立した作品として物語が構成されているため、すんなりと世界観に入り込める。3DCGの表現は圧倒的で見応え十分だ。(遠藤政樹/フリーライター)
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