この世界の片隅に:仏アニメ映画祭で審査員賞

「第41回アヌシー国際アニメーション映画祭」の授賞式に登場した「この世界の片隅に」の片渕須直監督(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
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「第41回アヌシー国際アニメーション映画祭」の授賞式に登場した「この世界の片隅に」の片渕須直監督(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

 こうの史代さんのマンガが原作の劇場版アニメ「この世界の片隅に」(片渕須直監督)が、フランスで行われた映画祭「第41回アヌシー国際アニメーション映画祭」の長編部門の審査員賞を受賞したことが分かった。受賞を受けて片渕監督は「海外では、予備知識がないと理解できないと言われていました。日本ローカルの舞台や時代を描いた映画なのですが、今回の受賞で人々の心がつながるのだと実感できました。皆さんの心の中に、この映画の登場人物、主人公のすずさんは既に住み始めている、と見えたことが喜びです」と語った。

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 「この世界の片隅に」は、「漫画アクション」(双葉社)で連載され、2009年に「文化庁メディア芸術祭」のマンガ部門優秀賞を受賞したマンガ。戦時中、広島・呉に嫁いだ18歳のすずの生活が、戦争の激化によって崩れていく様子が描かれた。アニメは、女優ののんさんがすずの声優を務めたことも話題になり、「第40回日本アカデミー賞」の最優秀アニメーション作品賞、優秀音楽賞にも選ばれた。動員数は200万人、興行収入は25億円を突破した。

 アヌシー国際アニメーション映画祭は4大アニメーション映画祭の一つ。カンヌ映画祭からアニメ部門が独立し、1960年に設立。世界最大にして、最も歴史の古いアニメーション映画祭として知られている。2007年に「時をかける少女」(細田守監督)が特別賞を、11年に「カラフル」(原恵一監督)が特別賞と観客賞、15年に「百日紅~Miss HOKUSAI~」(原監督)が審査員賞を受賞。今回は、「夜明け告げるルーのうた」(湯浅政明監督)が長編部門のグランプリにあたるクリスタル賞を受賞した。

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