注目映画紹介:「忍びの国」嵐・大野が史上最強の忍者役を好演 ひょうひょうとした中にキレキレのアクションで魅せる

映画「忍びの国」のワンシーン (C)2008 和田竜/新潮社(C)2017 映画『忍びの国』製作委員会
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映画「忍びの国」のワンシーン (C)2008 和田竜/新潮社(C)2017 映画『忍びの国』製作委員会

 人気グループ「嵐」の大野智さんが“史上最強の忍者”役で主演した映画「忍びの国」(中村義洋監督)が7月1日、TOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほかで公開される。大野さんが演じる伊賀一の忍者、無門は、腕は立つものの、怠け者で普段は女房の・お国(石原さとみさん)の尻に敷かれているという役どころ。ひょうひょうとしているが、いざ勝負となるとキレキレの動きを見せる無門と大野さんのイメージが重なって見え、思わずニヤリとさせられる。

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 「のぼうの城」や「村上海賊の娘」で知られる和田竜(わだ・りょう)さんの人気歴史小説「忍びの国」(新潮文庫)が原作。戦国時代、天下統一に向けてひた走る織田信長が唯一、手出しすることを禁じた伊賀の国。人でなしの忍者たちが暮らすこの国の最強の忍び、無門は、伊賀一のすご腕でありながら、怠け者で、女房の尻に敷かれ、普段は家に入れてもらえない始末。そんな中、圧倒的な軍勢を率いた織田軍が伊賀に攻め込んできた。武力、兵力では太刀打ちできない伊賀の忍びたちはあらゆる秘策で織田軍に抗戦する……という展開。

 無門の妻で、安芸の武家から無門にさらわれてきた女性・お国を石原さとみさん、伊賀・下山家の嫡男で、ある事件により忍びに失望する下山平兵衛を鈴木亮平さん、伊賀に攻め込む決意をする織田信雄を「Hey! Say! JUMP」の知念侑李さん、織田軍で剛力で名をはせる信雄の家臣・日置大膳(へき・だいぜん)を伊勢谷友介さんが演じる。マキタスポーツさん、満島真之介さん、立川談春さんらも出演している。ナレーションは山崎努さんが務めた。「予告犯」(2015年)や「殿、利息でござる!」(16年)の中村義洋監督がメガホンをとった。

 大野さんは、1対1の接近戦では目にも留まらぬ素早い動きで剣をかわし、大勢を前にしたワイヤアクションではいつの間にか行方をくらまし、意外な場所から姿を現すなど変幻自在なすご腕忍者を、肩の力を抜いた好演で魅せる。信長という偉大な父を持つ苦悩を抱えた信雄を知念さんが熱演。同じ事務所に所属する先輩・後輩である2人の演技が、豪華キャストを引っ張る形で映画は進行していく。恩義や義理人情などどこ吹く風……人の心を持たない忍びたちが、最後に心を動かされた出来事とは? 無門の“本気”が爆発するラストの戦いは見応えがあった。(細田尚子/MANTAN)

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