この「じっちゃ! インタビュー」ページは「じっちゃ!」のインタビュー記事を掲載しています。
⻘森県つがる市を舞台とした映画「じっちゃ!」(千村利光監督)で主演を務めた中村静香さん。東京からつがる市にIターン移住したアラサーの主人公・三上ゆきを演じた中村さんは、映画が10月31日から全国順次公開されることに「撮影は夏と冬と季節をまたいでいて、時間をかけて作ったという印象も手伝ってか、とてもうれしいです」と話す。自身は9月に誕生日を迎えて37歳に。「親孝行したいという考えが自分の中で大きくなってきていると思います」とも明かす中村さんに話を聞いた。
◇映画は孫娘と祖⽗の絆を描くヒューマンコメディー
映画は、つがる市市制施⾏20周年記念作品として製作。四季折々の⻘森・つがる市の⾵景を舞台に、東京からI ターン移住した孫娘と、市内でメロン農家を営む祖⽗の絆を描くヒューマンコメディーだ。10月17日に青森県で先行公開された。
祖⽗の泰助(⼩野武彦さん)が住む街という無難な理由で、地域おこし協⼒隊制度を利⽤し、東京からつがる市にIターン移住した三上ゆき(中村さん)。就職先の市役所で観光・ブランド戦略課に配属された彼⼥は、市の魅⼒を全国に発信するため、慣れない業務に苦戦しながらも、祖⽗との⽇々のやりとりに癒されながら乗り越えていく。
怒涛の1年が過ぎたある⽇、これまで多くを語ろうとしてこなかった泰助から、40年間秘めてきた事実を聞くゆき。そこには⻘森に住み続けた泰助の知られざる絆の物語があった……。
中村さんは「ゆきが東京からつがるに移って生活し始め、1年かけて少しずつ、人との触れ合いや土地の空気を肌で感じてとけ込んでいったのを、私も実際に津軽に滞在して撮影をしながら体感できたらなと思いながら演じていました」と話す。
◇東北の何もかもが新鮮で、津軽弁も「新しい経験の一つに」
そんな中村さんは、役作りの一環として、“じっちゃ”こと泰助役の⼩野さんを「すごく観察した」という。
「つがるに滞在中はできる限り、小野さんを本当のじっちゃのように感じられるように、何か得られるものはないかって、撮影の合間にもちょくちょくお話をさせていただきました。プラス、地元の方ともお話をさせていただいて。ゆきがつがるになじんでいく過程で方言を話し出すので、津軽弁の練習にも取り組みました」
京都府出身の中村さんにとって、津軽弁はかなり未知のもの。
「私、関西人なので、東北の何もかもが新鮮で。津軽弁ってフランス語に聞こえるって言いますけど、それくらい私にはなじみがまったくなくて独特でした。クランクイン前にいただいた音源データを聞き込むところから始めたのですが、言葉の意味をとらえながら方言に気持ちを乗せるのに苦労しました」
演じたゆきは元は東京の人間。千村監督からも、その点を踏まえて「多少、おぼつかなくても大丈夫」と“逃げ道”を作ってもらっていたという中村さん。
「そういった意味では、撮影が進むとともに徐々になじんでいった感じは役ともリンクしていて良かったと思うし、新しい経験の一つになったのかなって」
◇先を見据えて「自分のためだけじゃなくて、親のために」
一方で、試写で完成した映画を見て反省したことも。
「実際に現場で私は緊張していたのですが、試写で見たらやっぱり硬いなって。慣れない土地でもがくというところはゆきと合っていたと思うのですが、つがるの景色が広大で、伸びやかなので、自分自身もう少し力を抜いても良かったのかなって。そういった反省はありつつも、穏やかな心になるような作品に監督がすてきに仕上げてくださったのはうれしかったです」
反省すべき点は反省しつつ「この経験を次に生かせるよう、精進あるのみ」と前を向く。自身に目を向ければ、9月に誕生日を迎えて37歳に。「少しずつですが、年齢とともに変化していくものがあるってことは自分でも感じていて」と話すが、その具体的な変化とは……。
「20歳の頃と比べて、当然、好みも趣味も変わって、それ以外でも、親孝行したいという考えが、自分の中で年々大きくなってきていると思います。先を見据えて、自分のためだけじゃなくて、親のためにって。どうしても毎年、年齢は加算されていくもので、時間は平等に流れていっていると分かってはいるけど、改めてこの変化は不思議だなって思います」
以前に比べて健康にも気をつけるようになった。
「とにかくビタミンを摂るようにはなりました(笑)。ビタミンCは最強だなって。風邪の予防にもなりますし、紫外線を浴びる前後のシミ対策にもなりますし、私はコーヒーが大好きで、朝から飲んでしまうのですが、コーヒーを飲む方とお酒をよく飲む方はビタミンCの消費量が多いと聞いてからは、朝晩摂るようにしています。(ビタミン)AやEはもちろんですが、特にビタミンCは欠かさず摂るようにしていて、体が元気じゃないと心も元気にならないと思うし、この先もいい仕事をするために、大切なことだと思っています」