この「テミスの不確かな法廷 反響・感想」ページは「テミスの不確かな法廷」の反響・感想記事を掲載しています。
俳優の松山ケンイチさん主演のNHKの「ドラマ10『テミスの不確かな法廷』」(総合、火曜午後10時)の最終話(第8話)「向き合う覚悟」が、3月10日に放送され、主人公の判事補・安堂清春を演じる松山さんが6分を超える“一人語り”で視聴者をクギ付けにした。
最終話では、結城(小木茂光さん)は、精神科医・山路(和久井映見さん)に何かを伝えようとしていた。その事実を知った安堂は、結城が残した手がかりをもとに、前橋一家殺人事件との接点を探り始める。安堂の精神状態を案じた小野崎(鳴海唯さん)は調査に同行。前橋地裁第一支部、弁護団、検察がそれぞれの立場から真相に迫る中、真犯人の存在が浮かび上がり、徐々に点と点がつながっていく。
そしてついに迎えた再審請求の決議の日。判事補の落合(恒松祐里さん)が毅然とした口調で「真実を明らかにするべきです」と言い切ったあと、安堂が語り始めたのは「今の私の心の中にある全ての言葉」だった。
「私は、私は子供の頃からみんなと同じように普通のことができませんでした。普通は、私にとってとても難しいことでした。13歳の時、発達障害だと診断されました。普通でないのは誰のせいでもない。私の努力が足りなかったわけでもない。ホッとしました。でも同時に、なんで私が。他の誰かでなく、どうして私が。そういう思いにとらわれました。どうやって生きていけばいいのか、そのことを考えると不安で不安で仕方ありませんでした。そんな時です。『六法全書』を手に取る機会がありました。ここには社会の約束事が書かれていました。生きていくための教科書だと思いました。法律は当たり前の日常を守る約束事。私はみんなの普通を守るこの仕事に興味を持ちました。私も、社会の役に立ちたい。必要とされたい。そう願いました。ずっと自分の特性を隠して、裁判官の仕事を続けてきました。そのことで周囲に迷惑をかけています。この仕事を私は続けていいのか。辞めたくなったり、辞めたくなくなったり、迷いながら続けています。続けたいと思っています。みんなの普通を守るこの仕事が好きだからです。司法に携わる方々は、どうしてその道を志したんでしょうか。きっと一人一人に違う理由があるんじゃないでしょうか。ただ一つだけ共通の思いがあるのではないかと思います。正しいことがしたい。正しくありたい」
「前橋一家殺人事件。警察は必死に捜査を行った。検察は必ず起訴に持ち込むことを期待された。裁判所も罪に対する厳正な罰を下すことに徹した。誰もが正しくあろうとした。ただ個人の思いや正義、倫理観は組織の理屈で簡単に塗りつぶされてしまいます。一人一人が正しくあろうとしても、間違えてしまうこともあります。司法が無実の人を殺した。それは同時に真犯人が野に放たれることを意味します。そしてさらなる悲劇が起こる。司法界が犯した罪。私は怖いです。怖くて怖くて仕方ありません。起きてしまった事実を前に萎縮し、思考が停止してしまいそうになります。でもだからといって、真実から目を背けていいんでしょうか。目を背けたら何が本当のことか分からなくなります。分からないことを分かっていないと、分からないことは分かりません。分からないことを分かっていないと、分からないことは分からないんです! 分からなくてはいけない! 何があったのか明らかにしないといけない。社会の約束が破られるのなら、何を信じて生きていけばいいんでしょうか。法律は揺るぎのないものでなくてはいけない。信頼を取り戻すために、信頼を失墜させる覚悟を持たないといけないと思います。起きてしまったことは変えられない。そこから始めるしかない。そこから始めるしかないんです! すみません。うまく言えません。でも今の私の心の中にある全ての言葉です」と──。
この安堂の言葉を受け、裁判長・門倉(遠藤憲一さん)は改めて、前橋一家殺人事件について再審開始決定を告げ……と展開した。
SNSでは「長ーーーいセリフに、あの演技。松山ケンイチって やっぱすごい 」「安堂の発する言葉のひとつひとつが、胸に刺さってきました。松山ケンイチさん、今さらですが圧巻です」「もう画面にクギ付けでした」「安堂くんの6分ワンカット長回し。松山ケンイチはせりふ暗記するだけでなく『安堂清春』としてしゃべっていた」「最終回、法廷での安堂さんのシーンは何度も巻き戻して見ました」との感想が寄せられ、「最終回大号泣。松ケン天才すぎんか。安堂裁判官の一言一句が響きました。続編ありますように」「おもしろかったなぁ。続編やってほしいーーー」「本当に素敵なドラマだった。続編がいつか見たいと願ってしまう」と期待する視聴者もいた。