この「ブラックペアン シーズン2 解説」ページは「ブラックペアン シーズン2」の解説記事を掲載しています。
2024年の夏ドラマが続々とスタートしている。今期は、二宮和也さん主演の「ブラックペアン シーズン2」(TBS系、日曜午後9時)や杉野遥亮さんが主演する「マウンテンドクター」(カンテレ・フジテレビ系、月曜午後10時)、小池栄子さんと仲野太賀さんがダブル主演を務める「新宿野戦病院」(フジテレビ系、水曜午後10時)と医療ドラマが話題を呼んでいる。フジテレビの再放送枠では「医龍 Team Medical Dragon」シリーズの再放送が7月18日から始まった。放送中の見応えのある医療ドラマの注目ポイントを解説する。
◇「ブラックペアン シーズン2」(TBS系、日曜午後9時)
「ブラックペアン シーズン2」は、「チーム・バチスタの栄光」シリーズなどで知られる海堂尊さんの「ブレイズメス1990」「スリジエセンター1991」(講談社文庫)が原作。2018年に放送されたシーズン1で“オペ室の悪魔”と呼ばれた天才外科医・渡海征司郎役を演じた二宮さんは、シーズン2では心臓冠動脈バイパス術の世界的大家で、“ディアブル(悪魔)”と呼ばれるほどの金の亡者、天城雪彦を演じている。
世界でただ1人、冠動脈バイパス手術「ダイレクトアナストモーシス」を駆使する天城は、患者やその家族にシャンスサンプル(二者択一)の賭けを課し、勝った者だけを手術するというクセのある人物。渡海とうり二つという、ドラマオリジナルの要素も加わり、その正体について考察が始まっている。第2話のラストでは東城大医学部付属病院の過去の記録を天城が見ているシーンがあり、今後の天城の動向に注目だ。
また、第1話では韓国の人気俳優、チェ・ジウさん、第2話では歌舞伎俳優の市川團十郎さんと故・小林麻央さんの長女・堀越麗禾(市川ぼたん)さんが登場するなど、毎回豪華なゲスト出演者も話題だ。
7月21日放送の第3話には、落語家の立川談春さんと俳優の梅沢富美男さんがゲスト出演。石坂浩二さん演じる桜宮市医師会会長の真行寺龍太郎や田中みな実さん演じる治験コーディネーターの椎野美咲が本格登場して、物語が動き出しそうだ。
◇マウンテンドクター(カンテレ・フジテレビ系、月曜午後10時)
「マウンテンドクター」は、山岳医療にスポットを当てた完全オリジナル作品。長野県松本市を舞台に、主演の杉野さん演じる山岳医療の現場に放り込まれた青年医師が、さまざまな思いを抱えた患者や医療従事者たちと触れ合い、現実と向き合いながら成長していく姿を、壮大なスケール感で描く。
15日放送の第2話では、国際山岳医の資格を取り、信濃総合病院に復帰した宮本歩(杉野さん)が、院長(檀れいさん)に指名されて山岳医療チームMMT(マウンテン・メディカル・チーム)に参加することになる様子が描かれた。
22日放送の第3話では、同じ国際山岳医だが、MMTに参加していない医師、江森(大森南朋さん)が1年前に山で人を死なせた事件が浮き彫りになる。
江森は1年前に落石事故で負傷者たちの救命に当たった際、激しい外傷を負った菜月(舟木幸さん)を助からないと判断。黒のトリアージを記したにもかかわらず、その後、現場で菜月の意識が一時的に回復したといい、遺族は医療過誤だとして訴訟を起こす。その上、江森は、遭難者の1人で、今はリハビリ中の少年、飯塚亘(森優理斗さん)に事故当時のことを口止めしているらしく、疑惑はさらに深まる……と展開する。
山でのロケによる壮大なスケールの画(え)も見応えあり、青年医師の成長のみならず、先輩医師のミステリー的な要素も組み込み、続きが気になるストーリーだ。
◇「新宿野戦病院」(フジテレビ系、水曜午後10時)
「新宿野戦病院」は、宮藤官九郎さんが初めて手掛ける医療ドラマ。東京・歌舞伎町の路地にひっそり建つ「聖まごころ病院」を舞台に、小池さん演じる米国籍の元軍医が、中野さん演じる「金もうけ主義」の美容皮膚科医や“ワケあり”な患者たちと繰り広げる救急医療エンターテインメント。
17日に放送された第3話では、ヨウコ・ニシ・フリーマン(小池さん)が働き始めたことで患者を優先するようになった聖まごころ病院だが、経理担当の白木愛(高畑淳子さん)は院長の高峰啓介(柄本明さん)に休みが欲しいと懇願。その結果、日曜休診、月曜は救急のみの対応となる。啓介の弟で不動産コンサルタントの高峰啓三(生瀬勝久さん)が息子の高峰享(仲野さん)と共に月曜限定でビューティークリニックを開業。謎の美容系インフルエンサー、イ・オンナ(余貴美子さん)がSNSでつぶやいたことで予約が殺到する……と展開した。
お笑いコンビ「ドランクドラゴン」の塚地武雅さんが演じる看護師長の堀井しのぶを筆頭に、岡部たかしさん演じる内科・小児科医、馬場徹さん演じる泌尿器科・性病科医、平岩紙さん演じるソーシャルワーカー、濱田岳さん演じる地域課の警察官、橋本愛さんが演じるNPO法人の職員など個性派ぞろいのキャラクターが織りなすドタバタ劇が楽しい。
また、ヨウコが英語なまりの岡山弁でつぶやく言葉が「刺さる」「かっこいい」と話題になっており、今後も笑いながらも心にしみる“クドカン節”を堪能したい。
◇「医龍 Team Medical Dragon」(フジテレビ、月~金曜平日午後1時50分~3時45分)
「医龍 Team Medical Dragon」は、永井明さんが原案、吉沼美恵さんが医療監修、乃木坂太郎さんが作画を担当したマンガ(小学館)が原作。天才外科医の朝田龍太郎(坂口さん)が、「チームドラゴン」に優秀なメンバーを集め、心臓の“バチスタ手術”の成功に向けて、腐敗した大学病院の病巣に次々とメスを入れ、大きな権力に立ち向かっていくメディカルドラマ。
第1期(全11話)が2006年4月期に、第2期(全11話)は2007年10月期、第3期(全10話)は2010年10月期、第4期(全11話)は2014年1月期にフジテレビ系で放送された。
18年前に放送された第1期には坂口さんのほか、稲森いずみさん、小池徹平さん、北村一輝さん、阿部サダヲさん、水川あさみさん、佐々木蔵之介さん、夏木マリさんらが出演。再放送はシリーズ一挙放送となり、第2期と第3期に高橋一生さん、先日亡くなった中村晴日さん、第2期に内田有紀さん、第4期に高橋克典さんらも出演。豪華な出演陣も見どころだ。
背中に龍の形に似た大火傷の痕が残る主人公の龍太郎がとにかくカッコよく、権力に立ち向かっていく姿には引きこまれる。
猛暑の夏、クーラーの効いた部屋でクールで熱い医療ドラマを存分に楽しみたい。