この「万博の太陽 インタビュー」ページは「万博の太陽」のインタビュー記事を掲載しています。
テレビ朝日開局65周年記念ドラマプレミアム「万博の太陽」で、主演を務める橋本環奈さん。ドラマは1970年の大阪万博を題材に、万博で働くことを夢見るヒロインの青春と、その家族の心温まる物語を描く。3月24日午後9時の放送を前に、橋本さんに今作の撮影秘話や見どころなどを聞いた。
◇ぶつかっていく芝居 唐沢寿明に感謝
ドラマは、「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズや、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「花子とアン」などで知られる中園ミホさんの脚本。橋本さんは今回、中園さんと初タッグとなる。
「『万博の太陽』というタイトルの作品を、中園さんの脚本でやらせていただけると聞いたときから、楽しみだなってワクワクしていました。脚本もとても面白くて、当時の歴史的背景を学べたり、主人公の“ザ・ヒロイン”みたいな真っすぐな感じがストレートに出ていたので、中園さんが紡いだせりふを一言一句たがわず演じようと心掛けました」
演じた朝野今日子は、東京オリンピックを見て世界とつながる仕事に心ひかれ、大阪万博に憧れを抱く、東京下町の畳店の娘。何かに夢中になるとブレーキがきかなくなる猪突猛進な性格が災いし、見合い話には惨敗中……というキャラクター。
「物語の冒頭に『ガガーリンが死んじゃったの……』というせりふがあったり、少し変わっている子なのですが、本人はいたって真剣に熱意を語っていると脚本を読み取ったので、コミカルになりすぎないよう心掛けて演じました。現代的な考えを持っているために、(唐沢寿明さん演じる)伯父さんと衝突するのですが、怒りの言葉はあまり現代っぽくはなりすぎないよう、丁寧にせりふを発することも意識しました」
快活な性格の今日子は、“昭和のがんこオヤジ”な性格の伯父・昭太朗(唐沢さん)とケンカもしょっちゅうで、今日子が思い切った行動を取るシーンもある。
「ぶつかっていく芝居は、相手から『大丈夫だからね』と言われても、どうしても気を遣ってしまうのですが、唐沢さんは『本当に大丈夫』って言って。逆に唐沢さんから『こうやったらいいんじゃないか』とか言っていただいたり、気を遣わせない、気の遣い方っていうんですかね? それがすごく有難かったです。それでも、さすがに長引かせることのない様に一発で決めようと心掛けました。(ぶつかっていく力加減は)100ではないにしても、女の子が振り絞った感じを出せたと思います」
◇当時の世界観「目に映るもの全てが新鮮」
そんな昭太朗とのシーンで「めちゃくちゃ面白かったです!」と振り返るのは、怒り心頭の昭太朗がちゃぶ台をひっくり返す一幕。「“ちゃぶ台返し”を初めて見ました。家にそもそもちゃぶ台がなかったですし、うちはどちらかというと亭主関白とは真逆の、ちゃぶ台を返すようなお父さんではなかったので……まさか生で見られるとは!」と笑う。
「唐沢さんの“返し方”がとても上手で、キレイにちゃぶ台の上のお皿とかが飛んでいきました。何回か撮り直せますというお話しだったのですが、一発で成功されていて! 鮮やかなちゃぶ台返しでした」
撮影のために、大阪万博の展示品の「人間洗濯機」を制作するなど、当時の世界観の忠実な再現を目指した今作。「美術部さんが(世界観を)徹底的に作り込んでくださいました」と語る。
「例えば、請求書を書くシーンでは、『この紙の使用はこの時代なかったよね』となって撮り直すこともありました。費用はすごく掛かったそうなのですが、撮影のために“人間洗濯機”も作ってくださいました。家のシーンの小道具なども含め、目に映るもの全てが新鮮でした!」
「万博にはこれまで縁がなかった」という橋本さんだが、今作の撮影を通して興味が湧いたという。
「“月の石”だったり、こんなものがあったんだ!と知ることが多かったので、実際に見てみたくなりました。今年、朝ドラの撮影で大阪に行くので、まずは太陽の塔を見に行きたいなって思っています(笑い)」
最後に今作の見どころを聞くと、「昭和生まれの方には懐かしいと感じていただける内容ですし、10代の子とかには新しい世界を見る感覚で楽しんでいただけると思います。全世代に楽しんでいただける、すごく明るいストーリーになっています!」とアピールした。