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田村睦心×入野自由:「烏は主を選ばない」 表情豊かな雪哉 ミステリアスな若宮 ストイックに演じる

「烏は主を選ばない」に出演する入野自由さん(左)と田村睦心さん

 阿部智里さんの人気ファンタジー小説「八咫烏(やたがらす)シリーズ」(文藝春秋)が原作のテレビアニメ「烏は主を選ばない」がNHK総合で4月6日から放送される。日本神話にも登場する3本足の伝説の烏、八咫烏を題材にしたファンタジー小説。人間の姿に変身できる八咫烏の一族が支配する異世界・山内を舞台に、美しくも風変わりな若宮のそば仕えに抜てきされた八咫烏の少年・雪哉が、陰謀渦巻く宮中でさまざまな事件に遭遇することになる。雪哉役の田村睦心さん、若宮役の入野自由さんに収録について聞いた。

 ◇賢い雪哉 ゆっくりしゃべる若宮

 --作品の印象は?

 田村さん オーディションの前に、設定資料を見ると、キャラクターの顔がシュッとしていてキレイで、私に合うのか?とも思うと同時にとても難しいなと感じました。作品は雪哉君が、若宮様に翻弄(ほんろう)されるのが可愛いですし、楽しいです。謎もいっぱいあって、どうなっていくんだろう?となりながら演じています。

 入野さん ファンタジー要素はあるのですが、今の人間社会にとても近い部分があって、そこが面白さだと感じていました。一人一人のキャラクターも魅力的で、最初は静かに物語が始まりつつ、怒涛の展開もあり、引き込まれていきました。アニメで表現されるとどうなるんだろう?と楽しみになりました。

 --オーディション時に意識したことは?

 田村さん 雪哉君は“ぼんくら次男”とも呼ばれていて、若宮様とのやり取りでは、振り回されもしますが、賢さも見えてきますし、メリハリをつけようと意識しながらオーディションに挑ませていただきました。

 入野さん 設定として美しいキャラクターですが、その見た目からどんな声がするのかと悩んだ結果、作品やキャラクターの雰囲気を考え、なるべく地の声に近いトーンでゆったりと話すことを意識し、穏やか丁寧であることをベースにしていこうと思いました。

 --アフレコを進める中で変化もあった?

 田村さん 「雪哉は賢い子なので」と言われていました。ついついリアクションで、バカっぽくなってしまいがちなのですが、それは彼の真の姿ではなく、必死に考えているので、知性を感じるようにしようとしました。

 入野さん ゆったりということを意識し過ぎて、せりふに追われないようにしようとしていました。あとは“表現をしない”ことも気をつけていました。何かを表現しようとすると、結局何が言いたかったのか分からない……と陥ってしまうので、怒っている状況、悲しい状況などは腹の中にためて、外には出さない。先々には、それが出てしまう瞬間もあるので、そのためにあえて出さないようにしました。見ている方が、こうなんだろうか?と考える余地がある方がいいのかもしれません。特にこのキャラクターに関しては、答えが出てしまうと面白くないと思ってました。

 --尺が決まっている中で、ゆっくりしゃべるのは難しいのでは?

 入野さん ただのスローモーションになってはいけなくて、意味があってゆっくりしゃべっていることが絶対条件で、腹の中では何を考えてるのか?と考慮しつつ、考えすぎてもいけない。収録前に腹の中に入れておくようなイメージです。難しいですね。

 --収録はみんなでできた?

 田村さん 3チームくらいに分かれていました。姫様チームはすれ違うくらいだったのですが、スタッフの方に「姫様方、どうぞ」と言われていて面白かったですね。

 入野さん 僕は姫たちと一緒に収録するシーンもあったのですが、面白かったですね。それぞれの色があって、華やかさは彼女たちが担っています。僕らは地味に暗躍しているので。

 ◇異色の作品 絶対に損をさせない!

 --それぞれのキャラクターの印象は?

 田村さん 若宮様は、言葉だけだと、心が読みづらく、ミステリアスなところがすてきです。説明をしてくれるところは、せりふが多いけど、ゆったりしていてちゃんと聞こえてきて、優雅なんです。でも、突拍子もないことをしてきて、兄貴感あって助けてくれると思えば、急に突き飛ばしてもくる(笑い)。本当にピンチになったら、ちゃんと助けてくれるっていうところがすてきです。

 入野さん 雪哉は表情豊かで、主人公らしくしっかり巻き込まれ、見ていて楽しいキャラクターです。彼が巻き込まれていくことによって、考え方、生き方に影響していくところが、見どころの一つになっています。頭が良くて、コロコロ表情が変わるのが魅力的です。

 --お互いの役者として印象は?

 入野さん これまで共演があっても、あまり絡みのある役がなかったのですが、ご一緒させていただき、ピッタリだと思っていました。表情がコロコロ変わっていくキャラクターの魅力があって、クレバーなところもあるんですよね。頭、いいんですよね。

 田村さん え!? そんなことないですよ。入野さんはストイックですよね。

 入野さん そんなことないよ。

 田村さん 全然そんな感じを見せないのですが、チャレンジされる姿が格好いい。難しいところに何度も挑戦している姿を見て、すごいな!と思っています。

 入野さん 若宮の場合、間違いがあってはいけなくて、確実に見えないといけないので。それに、ストイックじゃなくて、もっとできたんじゃないか、という気持ちがあるんです。

 田村さん それをストイックと言うんですよ!

 --最後に放送に向けてメッセージをお願いします。

 田村さん 第1、2話は女性が多くて華やかかと思いきや、第3話はまた違った展開が待っています。絶対に面白い作品なので、ぜひ見てください!

 入野さん アニメを見る前に、世界観を頭に入れておくと、より楽しめると思います。キャスト陣が毎回、予想をして、白熱するんですよね。釘宮さん(白珠役の釘宮理恵さん)が作品を好きすぎて「ずっと演じられるのが羨ましい!」と言っていたり(笑い)。絶対に面白い作品になりますし、最近のアニメーションでも異色の作品になるはずです。絶対に損をさせない作品です!

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