この「100日後に別れる僕と彼 インタビュー」ページは「100日後に別れる僕と彼」のインタビュー記事を掲載しています。
NHKの「ドラマ10『テミスの不確かな法廷』」の弁護士役も話題となった俳優・鳴海唯さん。5月26日スタートの連続ドラマ「100日後に別れる僕と彼」(MBS・TBSほか)では準主役として、映像制作会社の若手ディレクターを演じる。「テミスの〜」での好演を受けて周囲の期待がさらに高まっている中で挑んだ「100日後に別れる僕と彼」はどんな作品に? 「役者として成長していくとともに、一人の人間として成長し続けたいという思いがあります」と明かす鳴海さんに話を聞いた。
◇演じる志穂は「一番視聴者の目線に近いキャラクター」
「100日後に別れる僕と彼」は、テレビドラマ、映画化された小説「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」で知られる浅原ナオトさんの同名小説が原作。主演は伊藤健太郎さんと寛一郎さん。2人は、すでに破局していながら“理想の同性カップル”を演じることになった春日佑馬と長谷川樹に扮する。
性的少数者のためのパートナーシップ宣誓制度について受けたインタビューの様子が、「萌える」とSNSで広まり、世間の注目を集めることになった佑馬(伊藤さん)と樹(寛一郎さん)。そんな2人に、同棲生活を100日撮影するドキュメンタリー取材の依頼が舞い込み、“同性愛者への理解を広めたい”という思いから佑馬は受諾するが……。
鳴海さんが演じるのは、産休に入った先輩の企画を引き継ぎ、佑馬と樹の取材をすることになる若手ディレクターの茅野志穂。カメラの前では仲の良い恋人を演じる佑馬と樹が、すでに破局していることを知る由もない志穂は、ありのままの彼らを記録しようと意気込む。
仕事に対して野心的な志穂だが、鳴海さんは「一番視聴者の目線に近いキャラクター」だと考える。
「志穂の目線で描かれることも多いですし、ストーリーテラーのような役割も担っているのかなと。そんな中で、志穂が作品に取り組む中、佑馬と樹を人として扱わず、作品を良くするための道具として使ってしまっていたことに途中で気づくんです。本人は『絶対に私はそういうことはしないぞ』『偏見も持たずに向き合うぞ』と思っていたはず。でも、蓋(ふた)を開けてみれば、自分がいろいろなことに偏見を持ってしまっていたということに気づき、大きなショックを受ける。その瞬間は視聴者の方もきっと同じ気持ちになるんじゃないかなと思っていて、一緒になって共感してもらえる役柄かなとは思っています」
◇「一筋縄ではいかない複雑さがある」作品での気づき、学び
作品、役を通して気づき、学びも大きなものに。「台本を読んでいく中で、佑馬と樹に対して偏見を持っていないと思っていたのに、『あれ? これは偏見を持っているぞ』と気づく瞬間が、志穂と同じタイミングだった」と振り返る鳴海さん。
「『偏見を持たないようにしよう』という思考がちょっと違うのかなという気づき。偏見を持たないって、絶対に無理とまでは言わないけれど、私には多分、難しい。だからまずは、自分とは違う価値観を持っている人がいるということを知る。この『知る』ということが大事なんじゃないかなと、この作品から学ばせてもらいました」
鳴海さんは、この気づきや学びも含めて、ドラマを「一筋縄ではいかない複雑さがある」作品と捉えている。
「一見、LGBTQプラスについて問題提起している作品のようにも思えるのですが、佑馬と樹の同性カップルについての話だけではなくて、志穂自身の女性ならではの悩みや葛藤、志穂の先輩の育休後の仕事復帰への悩み、葛藤も、全6話の中で丁寧に描かれていて、カテゴライズできない面白さ、一筋縄ではいかない複雑さがあるので、まずはドキュメンタリー調で進んでいく第1話を最後まで見ていただけたらと思っています」
近年、重要度の高い役を演じることも増えてきた鳴海さんだが「役によって全く違う、『別人のようだ』と言っていただけることもあるのですが、やはり自分の中にないものはできないなと私は思っている」と素直に明かす。その上で、俳優としての今後に向けての意気込みも聞いた。
「多かれ少なかれそのキャラクターに共感できる部分がないと私は演じることができないと現時点では思っています。なので、自分の中で『この役だったら』と思えることは大前提。それプラス、未知の領域に行きたい好奇心もあるので、役を通して、新しい職業に出会えたらいいなと思います。『テミスの〜』の弁護士役もそうですし、それ以前の役もそう。今回のディレクター役も、知見が広がる機会をいただけて、人として成長させてもらっている気がしているので、役者冥利に尽きるなと。だから、役者として成長していくとともに、一人の人間として成長し続けたいという思いがあります」
「100日後に別れる僕と彼」は、MBSで毎週火曜深夜0時59分、TBSで毎週火曜深夜1時26分に放送。CBC、RKB、HBCでも放送される。(岸辺六灯/MANTANWEB)