この「矢野聖人 インタビュー」ページは「矢野聖人」のインタビュー記事を掲載しています。
2月に大反響の中で最終回を迎えたスーパー戦隊シリーズ「王様戦隊キングオージャー」に出演した俳優の矢野聖人さんが、写真集「TONE」(東京ニュース通信社)を3月15日に発売した。2011年発売のフォトスタイルブック以来、約13年ぶりの写真集に「まさか30歳を超えてからお話いただけるとは……!」と喜ぶ矢野さん。さまざまなこだわりを詰め込んだという写真集について、そして「キングオージャー」の今だから話せる裏話を聞いた。
◇ラクレスの“シルバー”も使った写真集
「危険な男」「料理シーン」「ヒーロー」など、さまざまなテーマに沿った姿に“変身”し、多彩な表情を見せた写真集。
「矢野聖人の内面のいろいろな面というよりは、それぞれの役を演じているというニュアンスで撮影しました。自分の気持ち的な問題かもしれませんが、“演じる”をテーマにしています。せっかくの機会をいただいたので、普通の写真集にしたくはなかった」
制作にも企画段階から携わった。「事前にスタイリストさんにシチュエーションに応じて衣装やネックレスも『こういうものでお願いしたい』と伝えたり、後は私物の指輪も使ったり、衣装の丈も1センチ単位で細かく調整してやっています。それで見え方が変わると思って、袖の折り方にもこだわりました」と明かす。
こだわりは多岐にわたる。
「前髪のありなしだけでも表情や雰囲気が変わるので、髪形には一番こだわりましたし、胸筋のあるなしではシャツ1枚でも全然見栄えが違うので、撮影にあたって胸筋も鍛えました。後は、表紙の文字の字体や色にもこだわっています。特に文字色は、キングオージャーに出演したことも今回のご縁につながったこともあって、ラクレスの変身後の色であるシルバーにしました」
そんな写真集の見どころについて、「ファンの皆さんに“こういう役もできるんだ!”と思っていただけるように作りました。矢野聖人が演じるさまざまな役を見ている感覚を楽しんでいただけると思います!」とアピールした。
◇キングオージャーロスのファンへ
王様たちが戦士となって、“チキュー”を脅かす敵と戦う姿を描いた「キングオージャー」。矢野さんが演じたのはラクレス。序盤は“邪知暴虐の王”として王様たちの前にたちはだかるも、終盤になってそれは真の敵・宇蟲王ダグデドを欺くための芝居だったことが明らかになった。第41話「宇宙を救う時」でのダグデドへの“反逆”は話題となったが、ラクレスの本心や行動の思惑をいつから知っていたのだろうか。
「クランクインする前に、宇蟲王の存在や自国にそのスパイがいることは聞いていました。ただその段階では、ラクレスが“一時退場”することまでは知らなかったです。その後、一回退くのを聞いたタイミングで、どうラクレスが復活するのかも聞いていました」
終盤までの展開を知っていることは、王様キャストの6人にも伏せていたという。
「自分で抱えているもどかしさより、何か聞かれても答えられないもどかしさはありました……(笑い)。いろいろと聞かれるので『知らない』と答えていましたが、そのたびに『知っているくせに』みたいに言われていました(笑い)」
6人については「僕が言うのもなんですけど、みんなこの1年で頼りがいのある俳優に育ちました」と述べる。「僕自身も最近、ハングリー精神がちょっと足りなかったなと、(6人の)がむしゃらな芝居から気づかされました」と明かした。
最終回を迎えた心境を聞くと「かなりやりきった感はあります」と充実感をのぞかせる。
「この一年の中に、僕の役者としての思想をだいぶ盛り込めました。今まで培ってきた技術も出すことができましたし、アクションにも挑戦できた。ラクレスの復活後は、あえて体重を増やすことなど、自分の意見をかなり採用してもらえたこともうれしかったです。(キングオージャーは)今後俳優をやっていく中でも一番思い出に残る作品だと思います」
最後に“キングオージャーロス”のファンへメッセージをお願いすると、「ファイナルライブツアーにも出演しますし、4月公開のVシネクスト『キングオージャーVSドンブラザーズ』にも出るので、放送はなくなっちゃうけど、まだロスにはさせません(笑い)!」と語った。
写真集の価格は4400円。3月17日にHMVエソラ池袋(東京都豊島区)、24日にブックファースト新宿店(東京都新宿区)で発売記念イベントを開催する。(取材・文・撮影:遠藤政樹)