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小市眞琴:少年役への並々ならぬこだわり アニメ「転生したら第七王子」インタビュー

「転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます」で主人公の少年・ロイドの声優を務める小市眞琴さん

 小説投稿サイト「小説家になろう」から生まれた人気作が原作のテレビアニメ「転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます」が4月1日からテレビ東京系ほかで放送される。主人公の少年・ロイドの声優を務めるのが、小市眞琴さんだ。小市さんは大人の女性から少女まで幅広い演技が魅力で、近年は「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」の明神弥彦役など少年役でも存在感を見せている。

 ◇底知れなさ 突き抜けた感情を

 同作は、謙虚なサークルさんのライトノベルで、「マガジンポケット」(講談社)で連載中の石沢庸介さんが手掛けるコミカライズも人気を集めており、シリーズ累計発行部数は500万部以上。魔術の才に恵まれず非業の死を遂げた魔術師が、強い魔術の血統を持つサルーム王国の第七王子・ロイドとして転生し、仲間と出会いながら魔術を極める姿を描いている。

 「最初から面白いですが、話が進んでキャラクターも増えていくごとに、どんどんどんどん面白さが加速していきます。たくさんヒロインが出てくるのですが、ロイド君は誰にも興味を示さず、魔術一筋なのも魅力です。でも、彼女たちを無視するわけではなくて、ちゃんとヒーローとして助けていくんです。そこにみんながひかれるんですよね。のめり込んで読んでいました」

 小市さんは少年役について「並々ならぬこだわりがあるんです。」と語る。

 「昔から少年役の女性声優さんに憧れて、自分も目指してきました。今回、主人公の少年役ということで、すごくうれしかったです。いろんな挑戦をさせていただける役だったので、一話一話に気合を入れて挑ませていただきました」

 小市さんが演じるロイドは、10歳ながら膨大な魔術の知識を持ち、魔人レベルでも震え上がるほどの魔力を内に秘めている。王位継承や女性、恋愛などには興味がなく、その行動と欲求の全ては自分の大好きな魔術を極めるための研究と実践にのみ注がれている。可愛らしいが、格好いい一面もあり、さまざまな表情を見せる。

 「見た目は可愛いのですが、カッコイイところがたくさんあります。魔術に対して狂気的なくらいのめり込んでいる一方、冷めているところもあります。本当に考えていることはあまり口に出さないので、彼が何を思っているのかは、誰にも分かりません。その底知れなさも彼の魅力の一つだと思います。魔術以外は何も見ていないところもいいですよね。これまで演じたことがないようなキャラクターですし、すごく魅力的です。ロイド君は、感情の振れ幅が突き抜けているので、シリアスな展開で見せるカッコよさや狂気を爆発させる時に、どこまでやっていいか、ロイド君から外れていないかを、音響監督さんや監督さんと相談しながら収録していました」

 演じる際は、少年性を大切にしながら、転生前は大人の男性だったことも意識した。

 「ロイド君は基本的な動作やフォルムがとても可愛いのですが、10歳の少年。そして中身は青年です。お芝居をする上で絶対に男性的な部分を忘れてはいけないと心掛けています。声変わりする前の少年は、女の子よりも声が高い子もいます。高い声でも少年だと分かるのは、言葉の端々の強さ、言動に少年性が垣間見えるからです。ロイド君はまさに、声は可愛いけれど、そこに少年らしさがしっかりのっている男の子でありたいなと。ただ、ロイド君は中身は大人の男性なので、普通の少年を演じるのとは違い、大人な面を出すときに声の年齢感も一緒に上がらないようにするのが難しくもあり、悩んだところです」

 ◇リアルな少年の演技目指す 幼少期は?

 小市さんは少年を演じるために、普段から研究を重ねているという。

 「男の子が歩いていたら、言葉に耳を傾けるようにしています。ほかにもお芝居を勉強する上で、子役の男の子のお芝居も聞くようにしています。リアルな少年の芝居がすごく好きで、よりリアルを求めています」

 小市さん自身、幼少期はボーイッシュなところもあったのだろうか?

 「どうなんでしょう? でも、男の子とは遊んでいました。兄にすごく懐いていたので、兄の友達と一緒に遊んだりはしていましたし、男の子っぽかったかもしれません。運動が好きなので、放課後に男の子とバスケをしていました」

 ◇共演者から刺激 転生したら少年になりたい!

 ファイルーズあいさんが古代魔術を操る魔人で、ロイドの底知れない魔力と魔術に圧倒され屈服するグリモを演じるほか、メイドのシルファ役のLynnさん、武術家のタオ役の関根明良さん、暗殺者ギルドの一員のレン役の高橋李依さん、ロイドの兄で第二王子のアルベルト役の堀江瞬さんら豪華声優陣も話題になっている。

 小市さんは「共演者の皆さんから刺激をいただいています。芝居に対して熱い方が多く、話していても勉強になりますし、こんなふうに芝居するんだ! と想像とは違うことがある度に興奮しています」と語る。“座長”としてどのように収録に臨んでいるのだろうか?

 「特別に何かをしたわけではないんですけど(笑い)。ロイド君が柱になっていますし、誰よりも作品を愛し、熱く演じようとしました。皆さんにもそう見えていたらいいな…。とにかく、100%で挑みました」

 異世界系アニメが人気ということもあり、バンダイナムコフィルムワークスは「転生したら第七王子だったので~」など異世界系アニメ5作品のコラボ企画「2024年に異世界系アニメがいっぱい放送される件」を実施している。最後に「異世界に転生するなら?」と質問してみた。

 「ロイド君みたいにすごい能力を得てみたいです。ロイド君は探究心の化け物なので、苦労もしますが、私は苦労したくないかな(笑い)。それに男の子に転生してみたいです。男の子を経験して、戻ってきた時に演技に生かしたいですね」

 小市さんは転生したとしても少年役に「並々ならぬこだわり」を忘れないようだ。演技への探究心はロイドと通じるところがあるのかもしれない。こだわり抜いたロイドの演技にぜひ注目してほしい。

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