アイドルグループ「つりビット」の元メンバーで、グラビアアイドルとして活躍している安藤咲桜さんのファースト写真集「さくら、はらり」(光文社)が、2月22日に発売された。本人が「最高の一冊」と太鼓判を押す写真集の撮影エピソードや見どころに加え、今月で21歳となる安藤さんに、10代を振り返っての思いや今後の活動の展望、20代をどう成長していきたいかを聞いた。
◇20歳の節目でのファースト写真集は「念願」
写真集のオファーを聞いたときの心境を、安藤さんは「電子写真集は何度か出させていただいたことはありましたが、ファンの方から『紙の写真集を出してほしい』というお声をたくさんいただいていて」と明かした上で、「20歳の節目に出せるのはなかなかない機会ですし、ずっと出したかったので、念願の写真集ということでめちゃくちゃうれしかったです」と笑顔を弾けさせる。
写真集は「自分のやりたいことやワガママをたくさん詰め込んだ」ということだが、「セーラー服のカットはそうですね。ロケーションの良い中でセーラー服着るのが夢でしたし、学生時代ブレザーだったのでセーラー服に憧れがありました。『セーラー服を着たい』とダメ元でお願いしたらかなえていただきました。ありがたい限りです」と喜ぶ。
さらに、「奄美大島での撮影をしてみたかった」という安藤さんは、「自分が撮影を楽しみたい気持ちがあり、行きたい場所にせっかくだから行かせてもらって、最高のロケーションの中で撮りたいと思いました」と理由を説明。
古民家での撮影時にはゲリラ豪雨に遭遇。「縁側で撮影していたのですが、雨戸を閉めるのに時間がかかってみんなでワタワタしたことが印象的です(笑い)」と楽しそうに振り返ると、「(写真は)雨が降っていたと思えないぐらい光がきれい。よく見ると湿気で髪の毛がフワッとしていますけど、おうちでくつろいでいる感じは出ていると思います。実は床もちょっとぬれていて。裏話と併せて見直してみるのも楽しいのでは」と鑑賞法を提案した。
◇挑戦した背中全開カットは「ドキドキ」 貴重な“お金ポース”写真も
お気に入りのカットは「全部」としながらも、「プールサイドで撮影した見開きの写真」をチョイス。「自分も写真を撮る身としては撮り方にグッと来るものが多くて、この余白の取り方がとても素晴らしい。計算しつくされたカットだなって思うし、光が明るくて色合いもポップなのでお気に入りです」とカメラが趣味という安藤さんらしい視点も。
もっとも挑戦したカットには、「こんなに背中を露出したことがない」と美背中が写ったショットを挙げ、撮影中には「ドキドキです。恥ずかしい気持ちもありますよね」と告白。「その気持ちは隠しちゃいけないものだと思う。ありのままの自分を出したいし、恥じらいを撮ってもらった方が良く写る場合もある。もちろんだめだったら(気持ちは)隠します」と持論を披露。
また「カメラマンさんが引き出してくださる表情が好き」と話す安藤さんは、手でお金のマークを作っている写真については、「たまにふざけてお金のポースをしてマネジャーさんに止められるという流れをやるのですが、どうせ使われないだろうと思っていたら見事に使われてしまって。しかもこんな悪い表情していたのかって」と苦笑い。
続けて、「まさか出してくるとは思わなかったけど、写真集ならではというか。自分の新たな一面を見せられるような写真ではあるなと思います。今後は気を付けていきたい。貴重なカットになるかもしれません(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに話していた。
◇アイドル活動は人生の「大きなポイント」 方向性は模索中だが声の仕事に意欲も
アイドルグループ「つりビット」のメンバーとして活動もしていた10代。当時について「青春を全部アイドルに捧(ささ)げていたという感じでした。今までの人生を振り返っても、アイドル活動は大きなポイント。10代は全部アイドル時代の記憶がほとんどです」と感慨深げに話す。
昨年20歳になり、「これからいろいろなターニングポイントを見つけていけたらと思います。今回の写真集も一つそうなりました」と意気込みを新たにするも、「『こういう仕事がしたい』とか『こういう方向で頑張っていきたい』とか、いまだに明確になってないんです」と意外な言葉を口にする安藤さん。
「やりたい仕事と求められているもの、やりたいことと得意なこと、全部別だと思っていて、1回やってみない限りはハマるものがないと思ってしまっています」と切り出し、「やりたいことを無理にやって失敗するより、ちゃんと自分が認めてハマるものをやりたい気持ちが強いので、今はいろいろな仕事をやってみたい」と説明する。
今興味があるものを聞くと、「声を使う仕事はしてみたい」と答え、「声優さんというと畏れ多いですけど、ラジオ番組やナレーションなど、最近声を褒められることが多くなってきているので、挑戦してみたい。アニメとかも好きですし、憧れですね」と話した。
◇「長いスパンで活躍できる人になりたい」
そんな安藤さんは、「自分の中で目標を決めてしまうと、それで終わらせてしまう気がするので、抱負や目標はなるべく立てないようにしている部分があります」と自己分析しつつ、「やりたいことはもちろん自分にハマる仕事をやって、長いスパンで活躍できる人になりたい」と今後の展望を語る。
さらに「深田恭子さんが好き」という安藤さんは、「言葉遣いが上品な女の子が好きで、自分の理想の女の子像があるのですが、自分がそれに近づけていけたら。理想の自分になりたい」と思いをはせる。
ファースト写真集を「自分で自分を褒めることはなかなかありませんが、この写真集は周りの方の力を借りてできた最高の一冊に仕上がっています。100点満点で減点する理由がありません」ときっぱり。そして「すでに私、勝手にセカンド(写真集)を視野に入れています(笑い)次は(100点を超えて)上限突破しないといけない」と早くも次回作に意欲を見せた。
次回作は「海外で撮ってみたい」といい、「写真を撮ることが好きなのもあるので、トルコや、グラビアではなかなかないと思いますがウユニ塩湖に行ってみたいです。あとは自分で撮った写真も載せてみたいですね」と目を輝かせていた。(取材・文・撮影:遠藤政樹)