年度初めということもあり、毎年力作がそろう春ドラマ。2022年の春ドラマもまた放送スタート直後から注目を集めている。人気番組が楽しめる動画配信サービス「Paravi」では、「マイファミリー」「インビジブル」「吉祥寺ルーザーズ」など、スタートしたばかりの春ドラマを独占配信のオリジナルストーリーとともに一挙配信。新生活を彩る話題作の数々をお見逃しなく!
二宮和也さんが主演を務め、多部未華子さんが共演する連続ドラマ「マイファミリー」。15年ぶりの共演となった二宮さんと多部さんが夫婦を演じ、誘拐された娘を救うために奮闘する家族の絆を描く話題作だ。
未知留の大学時代の親友で弁護士・三輪碧役で賀来賢人さん、同じく親友の元刑事の東堂樹生役で濱田岳さん、誘拐事件を担当する神奈川県警捜査1課特殊犯罪対策係の葛城圭史役で玉木宏さんが出演。さらに、温人のビジネスパートナーでともに会社を起業した立脇香菜子を高橋メアリージュンさん、日本を代表するネットサービス企業の社長で、温人の会社の買収をもくろむ阿久津晃を松本幸四郎さんと、そうそうたるキャスト陣が出演。それぞれの思惑で物語に絡んでくる。
見どころとなるのは、二宮さん、多部さんをはじめ、実力派キャストが織りなす迫真の演技バトルだ。一見すると何の問題もないようにみえる鳴沢家の暮らしだが、愛娘の誘拐事件をきっかけにして、異なる実情が浮き彫りになっていく。そして、誘拐事件をきっかけに“家族の絆”が試され、それにつれて思惑の異なる登場人物たちの横顔も大きく変貌を遂げていく。実力派による骨太の人間ドラマをお楽しみいただきたい。
高橋一生さんが主演、柴咲コウさんが共演する連続ドラマ「インビジブル」。事件解決のためには手段を選ばない刑事と、悪を熟知する犯罪コーディネーターが異色のペアを組み、世に知られていない凶悪犯たちと対峙(たいじ)する“犯罪エンターテインメント”だ。
物語は、ドラマ「ROOKIES」(2008年)や「南極大陸」(2011年)などで知られるいずみ吉紘さん脚本のオリジナル作。凶悪犯罪の舞台や裏社会で、凶悪犯同士らを紹介・斡旋する犯罪コーディネーター「インビジブル」が突如警察組織の前に姿を現し、未解決事件や凶悪犯罪者の情報を提供し、犯人逮捕に協力すると申し出る。その条件は、捜査1課から左遷された刑事・志村貴文を担当にすることだった……というストーリー。警視庁管内で起きた未解決事件の継続捜査を行う「特命捜査対策班」所属の刑事・志村を高橋さん、“インビジブル”のキリコを柴咲さんがそれぞれ演じている。
高橋さん演じる志村は、行き過ぎた捜査が問題視され、特命捜査対策班へ左遷されてしまった刑事。“悪”を許してはならないという執念にも似た正義感を持つ一方、事件解決のためにはどんなグレーな手でも使うため、周囲からは危険視されることもある、警察の中でも異端な存在だ。
一方、柴咲さんが演じる犯罪コーディネーターのキリコは、凶悪犯罪の裏で必要な凶悪犯たちを紹介・斡旋(あっせん)しているという役どころ。警察内でも一部の人間しか知らず、その実像は“誰も見たことがない”ことから、“インビジブル”と呼ばれていたものの、突如犯人逮捕に協力すると警察に申し出る。志村を指名した理由は何なのか、そもそもどうして警察に協力することにしたのか……。ミステリアスな存在だ。
2人を取り巻く登場人物も個性派ぞろい。志村の天敵ともいえるキャリア監察官・猿渡紳一郎を桐谷健太さん、猿渡を尊敬し、志村のことを敵視している捜査1課の刑事・磯ヶ谷潔を「Hey! Say! JUMP」の有岡大貴さん、志村の捜査1課時代の上司・犬飼彰吾を原田泰造さん、志村を慕う捜査1課の刑事・五十嵐夏樹を堀田茜さんがそれぞれ演じている。
高橋さんと柴咲さんは、今回が4回目の共演ということもあって息もぴったり。そんな2人が演じる、強烈な“正義”と強烈な“悪”の組み合わせがぶつかり合った時、どんな化学反応を見せるのか。最後まで目が離せない!
上野樹里さん演じる娘と、松重豊さん演じる、妻に先立たれた父が、父娘二人で婚活にチャレンジする「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」。「ダメな私に恋してください」「あなたのことはそれほど」「初めて恋をした日に読む話」など珠玉のラブストーリーを数多く手がけてきた吉澤智子さんが脚本を担当。父と娘がそれぞれの思いを持って婚活を進めていく斬新なラブストーリーだ。
上野さんが演じるのは、ヨガインストラクターの沢田杏花。母が他界した2年前に実家へ戻り、現在は父と2人暮らし。生徒の前では「心身ともに穏やかな暮らし」を送っているように見せているが、実際はいつもバタバタと何かに追われている。父に巻き込まれる形で婚活を始め、「誰かと共に生きること」を一生懸命考えていく。
松重さんが演じるのは、杏花の父・沢田林太郎。フリーで辞書の編さんをしている日本語学者で、24時間365日「言葉」のことを考えている“日本語オタク”。妻に先立たれ、人生の活力を失いかけていたが、遺品整理で見つけた「亡き妻からの離婚届」をきっかけに、第二の人生のパートナーを探し始める。
杏花の前に現れるのは2人の男性。田中圭さん演じる東村晴太は、バツイチのシングルファーザーで、7歳の息子と2人暮らし。息子第一の生活を送り、再婚は考えていなかったが、「自分と家族に優しい働き方」を見つけるために参加した起業セミナーで、杏花と出会う。
磯村勇斗さん演じる不破颯は杏花の幼なじみ。現在は晴太の息子が通う民間学童保育で指導員として働いている。そんなある日、初恋の相手だった杏花と18年ぶりに再会。再び心惹(ひ)かれた颯は、気持ちをストレートに伝えていく。結婚願望の薄いシングルファーザーの晴太と、幼なじみの颯の間で揺れ動く杏花の恋模様は見どころとなる。
一方、林太郎と婚活パーティーで運命的に出会う日向明里を演じるのは井川遥さん。46歳・独身の整形外科医で、生活が満たされる中、共に歳月を重ねるパートナーを求めて婚活を始めるという役どころ。「第二の人生」を目指し奮闘する林太郎との関係は進展するのか、注目だ。
「NEWS」の増田貴久さんが主演を務める連続ドラマ「吉祥寺ルーザーズ」。個性的な面々が暮らすシェアハウスを舞台としたシチュエーションコメディーだ。
ドラマは、放送作家・作詞家の秋元康さんが企画・原作を担当する完全オリジナル作品。人生の“負け組”6人が、東京・吉祥寺の謎めいたシェアハウスで一緒に暮らす日々を描く。増田さんは、女子高の教師として順風満帆な人生を送っていたが、ある出来事がきっかけで心が折れてしまった主人公・安彦聡を演じる。
シェアハウスの個性的な住人を演じるのは、これまた魅力的なキャスト陣。田中みな実さんが、今作のヒロインで夫と離婚調停中の元女性ファッション誌の編集長・大庭桜を演じるほか、片桐仁さんが、実演販売員だが芸人を自称する秦幡多、田島芽瑠さんは、博多から上京してきた生意気なキャバ嬢の望月舞、濱田マリさんは、ギャンブルに溺れて借金まみれの公務員・胡桃沢翠、國村隼さんは、元広告代理店勤務のエリートながらリストラされた天涯孤独の男・池上隆二を演じている。
増田さんは「愛すべきルーザーたちの負けっぷりを、毎週温かく見守っていただければと思います」とアピール。6人の負け組“ルーザー”たちが織りなす奇妙な共同生活をぜひ楽しんでほしい。
井桁弘恵さんの民放連ドラ初主演作「メンタル強め美女白川さん」。井桁さんが、他人の言葉に惑わされず、自己肯定力の高さと笑顔で、悩みを抱える女性たちに優しく寄り添う“最強美女”を演じる意欲作だ。
原作はツイッターで反響を呼び書籍化された獅子さんの同名マンガ(KADOKAWA)。体形や性格などにコンプレックスを抱える女性たちが、「私は私、可愛く、強く!」をモットーに生きる白川さん(井桁さん)との関わりを通して次第に心境の変化が起こるさまを描いている。
白川さんと同じ営業事務で、ぽっちゃり体形がコンプレックスの町田杏花役を野呂佳代さん、町田さんの同期で営業事務の梅本カンナ役を秋元才加さん、営業事務の新入社員・倉橋和樹役を、ジャニーズJr.の人気グループ「美 少年」の佐藤龍我さんが演じている。
井桁さん演じる、周囲のひがみや妬みもポジティブに跳ね返す白川さんの姿は、見ているだけで元気になったり、勇気づけられるはず。ポジティブになれる注目作をご堪能いただきたい。
お笑いトリオ「ハナコ」の岡部大さんがドラマ初主演を務めるのが連続ドラマ「しろめし修行僧」だ。「しろめしに合う最高のおかずとは何か」を追求するグルメドラマで、岡部さんは超食いしん坊の修行僧・米田たくあんを演じている。
「孤独のグルメ」「忘却のサチコ」「きのう何食べた?」など人気グルメドラマを送り出してきた「ドラマ24」枠の新たな“グルメドラマ”。岡部さん演じるたくあんは、実家の寺を継ぐため全国行脚をすることになり、修行を通して各地のご飯の友と出合う。たくあんの父親・こしあんを松平健さん、たくあんのピンチを救う幼なじみの佐藤ぶりあんを犬飼貴丈さんが演じている。さらに中山秀征さんの長男・翔貴さんが、たくあんの弟で大学生の米田つぶあん役で俳優デビュー、坊主頭を披露している。
ポイントとなるのはやはり行く先々でのご飯の友と、岡部さん演じるたくあんの食べっぷりだ。バラエティーなどでの大食漢ぶりと的確な食リポにも定評がある岡部さんの食べる様子を見ているだけでついついおなかが減ってしまうのでは?
快調なスタートを切った春ドラマ。新年度ならではの慌ただしさでついつい見逃してしまったという方も、1話からイッキ見できる「Paravi」でぜひキャッチアップしていただきたい。