7月22日からWOWOWで放送・配信される連続ドラマ「WOWOWオリジナルドラマ オカルトの森へようこそ」で、主演を務める女優の堀田真由さん。本作でWOWOWオリジナルドラマ初の主演となる堀田さんにとって、ドラマデビューとなったのが同じくWOWOW作品の「テミスの求刑」（2015年）だ。それから時を経て7年。NHKの連続テレビ小説（朝ドラ）「わろてんか」（2017年）、現在放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」への出演など着実に活躍の場を広げているが、ここに至るまでの大切な経験を聞いた。

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　ドラマは、映画「貞子VS伽椰子」（2016年）、「不能犯」（2018年）などで知られる白石晃士監督とWOWOWがタッグを組んで制作。異界とつながる「祟（たた）りの森」を舞台に、映画監督や助監督らが次々と迫る恐怖から逃げ惑い、時に立ち向かう姿を描く。白石監督は、映画監督の黒石光司を演じる一方で、撮影も担当。主観映像によるホラー作品となる。

　黒石と行動を共にする助監督の市川美保を演じた堀田さんは、「フェイクドキュメンタリーということなので、バラエティー番組のロケに来ているような感覚で、今起きていることを大事にしながら演じました」とリアルな人間の反応を意識して演じたと明かす。

　撮影は昨年の夏。「日焼けや体力面は大変でした（笑い）」と言い、「元々、日差しには強くないので人生で一番焼けていたと思います。ヒルも出てきて、虫や日焼けの対策で濃密な日々でした」と過酷な撮影を振り返る。

　共演した宇野祥平さんとは、堀田さんが主演した映画「プリズン13」（2019年）でも共演経験があり「『今回も出ることができてうれしい』と言っていただき、心強かったです」と感謝。「過酷な撮影で、暑かったですし、ロケ地も山や廃虚でした。車で行けない場所はみんなで歩いて行ったので、他の作品よりも一体感を感じました」とチームワークでつらさも乗り越えていった。

　ホラーは苦手という堀田さんだが、「主演でのオファーはうれしかったです。（ホラーへの）苦手意識があり、引き受けるか悩みましたが、WOWOWさんの作品は好きですし、なかなかできる経験ではないのでやりたいと思いました」と話す。

　◇菅田将暉の演技は“良い恐怖”体験「圧倒された」

　堀田さんは、2019年1月期に放送された菅田将暉さん主演の人気ドラマ「3年A組－今から皆さんは、人質です－」（日本テレビ系）に水泳部の主将・熊沢花恋役で出演。そのときに、役者人生で恐ろしいと感じたこととして、教師役の菅田さんの演技を挙げた。

　「菅田さんとはそれほど年齢が離れているわけではないですが、生徒のみんなが菅田さんのお芝居に圧倒された恐怖がありました。長回しで、長い時間教壇に立っていた菅田さんが鼻血を流したんです。すごく集中していて、それを生かしてずっとお芝居を続けていました。今でもキャスト同士で会うとそのときのことを話します。『すごかった』という“良い恐怖”を見させていただきました」と明かす。

　また、「3年A組」には、今田美桜さん、永野芽郁さん、上白石萌歌さん、森七菜さん、川栄李奈さん、福原遥さんらそうそうたるメンバーが出演していた。

　同世代の活躍について聞くと「テレビをつけたら誰かしら出ているので、『すごいな』『頑張らなきゃ』と思いながらも、私自身はあのクラスはひとつのクラスだと感じています。ライバル心というよりは、仲間という思いが強く、一緒に頑張って『また会えたらいいな』という感覚ですね」と語る。

　◇朝ドラヒロイン最終審査を辞退「挑戦できない悔しさがあった」

　本ドラマは、「オカルトの森へようこそ THE MOVIE」のタイトルで8月27日にスクリーンで公開されることも決まっている。同映画が、堀田さんにとって記念すべき20本目の映画作品となるが、自身の中にターニングポイントとなった作品はあったのだろうか。

　「やはり『わろてんか』ですかね。朝ドラで多くの方に知っていただけたと思いますし、ターニングポイントだと思っています。周りの方が思っているものと、自分で思っているものが違うことはあると思いますが、大きく見ると『わろてんか』だと思います」と、ヒロインの妹・りんを演じたことは、今の“堀田真由”に欠かせない経験だったと話す。

　ターニングポイントの「わろてんか」だが、ヒロインの最終オーディションを仕事の都合で辞退したことをテレビ番組で明かしていた堀田さん。「当時はすごく悔しかったです。ちょうど主演の作品を撮るタイミングとかぶってしまって……。何より挑戦することができないというのが悔しかったです。でも、その後に（妹役で）連絡をいただきました。もちろん、最終審査に行っていたらどんな未来が待っていたのかなという思いもあります。ですが、行かなかったから今につながっている部分もあるので、良かったのかなと思っています」とプラスに捉えている。

　良い経験も、悔しい経験も生かしながらドラマに映画に、バラエティー番組（『坂上どうぶつ王国』）と活躍の幅を広げている堀田さん。さまざまな積み重ねを経て挑んだ本作の見どころについては「ホラーというと、苦手意識がある方がいらっしゃると思います。ですが、この作品はホラーという枠ではないかもしれません。フェイクドキュメンタリーなので、ホラーが苦手な方も見ていただけると思います！」と力強くアピールした。

　「WOWOWオリジナルドラマ　オカルトの森へようこそ」は7月22日午後11時半から、WOWOWプライム（第1話無料放送）とWOWOWオンデマンド（無料トライアル実施中）で放送・配信スタート（全6回）。「オカルトの森へようこそ THE MOVIE」は、8月27日に公開・デジタル配信が開始される。