ダンダダン
第12話「呪いの家へレッツゴー」
12月19日(木)放送分
人気アニメ「ガンダム」シリーズの新作テレビアニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」。同作は、、「ガンダム」のテレビアニメシリーズとしては初の女性主人公で、学園が舞台となるなど斬新な設定が話題になっているが、モビルスーツ(MS)のデザインも斬新だ。女性主人公ということもあり、主人公機が女性的に見える……という声もある。また、MS戦が作画(手描き)で描かれるというのも大きなトピックだ。アニメを手がけるバンダイナムコフィルムワークスの岡本拓也プロデューサーにMSのデザイン、MS戦について聞いた。
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「水星の魔女」のキャッチコピーは「その魔女は、ガンダムを駆る。」。あまたの企業が宇宙に進出し、巨大な経済圏を構築した時代のA.S.(アド・ステラ)122が舞台となる。モビルスーツ産業最大手・ベネリットグループが運営するアスティカシア高等専門学園に、辺境の地・水星から主人公の少女スレッタ・マーキュリーが編入してくるところから物語が始まる。「ひそねとまそたん」「キズナイーバー」などの小林寛さんが監督を務め、「コードギアス 反逆のルルーシュ」などの大河内一楼さんがシリーズ構成・脚本を担当する。MBS・TBS系の日曜午後5時のアニメ枠“日5”で放送中。
「水星の魔女」はメカニカルデザインとしてJNTHED(ジェイエヌティーヘッド)さん、海老川兼武さん、稲田航さん、形部一平さん、寺岡賢司さん、柳瀬敬之さんがクレジットされている。MSは、勢力によってシルエットなどにそれぞれ特徴があり、デザイナーも異なる。主人公機ガンダム・エアリアル、前日譚(たん)「PROLOGUE」に登場するガンダム・ルブリスなどをデザインしたJNTHEDさんは「ガンダム」シリーズに初参加となった。
ガンダム・エアリアルはウエストが細く、太ももが太い。女性的に見える……という声があるのもうなずける。しかし、岡本プロデューサーは「女性的と言われることもあるのですが、あまりそこは意識していません」と話す。
「筋肉質、ボディービルダー、アスリートのようなイメージがありました。太もも、腕も筋肉質になっています。最近のガンダムはスーパーモデルのように脚が長い印象でしたが、もう少しガッチリした印象にしています。ガンダムはたくさんの機体がある中で、どうやって特徴を出していくのかと苦心しているところではあるのですが。特徴を出していかないと埋没してしまうし、飽きられてしまいます。特徴的なデザインで覚えてもらえることを意識しています」
確かに、胸部の逆三角形が美しく、筋肉質に見える。ボディーにたくさんの線が入っているのも特徴だ。線が多くなると、手描きの際の手間も増えるが……。
「線の情報量が多いので大変であることは間違いないのですが、小林監督が塗り分けを少なくするなどコントロールしてくださっています。パーツの描きやすさなども意識し、デザインとして落とし込むなどバランスを探りました」
特徴はしっかりあるが、ガンダムに見えるのが不思議だ。
「デザイナーの方がガンダムらしさを意識してデザインされているので、ガンダムに見えるところがあると思います。トリコロールの印象の強さも感じます」
「ガンダム」シリーズは、手描きのMS戦が魅力になっている。6月に公開された劇場版アニメ「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」では、MSがほぼCGで描かれ、最新技術によって、新たな表現に挑戦した。「水星の魔女」もCGになるのでは、と予想したファンもいたようだが、シーンの多くは手描きになるという。
「コクピットはCGなのですが、MSのほとんどは手描きで制作しています。やはり手描きのロボットは魅力的なんですね。CGだから表現できることもあるのですが、CGではできないこともまだあります。テレビシリーズで、手描きのロボットアニメを作るのは、非常に難しくなってきていますが、その文化をなくしたくないとも考えています」
手描きならではのよさもある。
「ケレン味を出せますし、ロボットを無機質に描くことができれば、有機的に描き、時にはキャラクターのように描くこともできます。パイロットの心情も表現できます。もちろん、手描き、CGのどちらかを完全に切り捨てるわけではなくて、今後もそれぞれのよさや強みを生かしていきたいと考えています」
サンライズ(現バンダイナムコフィルムワークス)は数多くのロボットアニメを世に送り出してきた歴史と伝統がある。ロボットアニメの伝統を継承していく使命もある。ただ、懐古的なわけではない。新しい技術も取り入れながら、進化していく。「水星の魔女」では、斬新なデザインのMSによる新たなロボットアニメの表現を見せてくれそうだ。
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