ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦め作品を紹介する「はじめの1巻」。今回は、藤原ここあさんが「月刊ガンガンJOKER」(スクウェア・エニックス)で連載中のマンガ「妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス)」(420円)だ。
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妖怪の力を持つ「先祖返り」の人間たちが住むシークレットサービス(SS)付きの最高級マンション。引っ越しをした少女・白鬼院凜々蝶(しらきいん・りりちよ)の元に、イケメンの御狐神双熾(みけつかみ・そうし)がSSとして押しかけてきた。「どうか僕をあなたの僕(しもべ)に」と言う双熾。凜々蝶はいやがるが、一途に自分を慕ってくる双熾の態度に、まんざらでもない様子で……。2人を中心に、可愛いタヌキから、巨大ガイコツまで登場、異能の力を持つ個性派ぞろいの仲間との愉快な日常を描いたラブコメディーだ。
コミックス1・2巻が同時発売され、あまりの大反響にビックリしています。営業部によると、ここ何年かのスクエニ新作1巻では最も良い売れ行きだそうです。ウェブでもファンの皆さまの反応がすばらしく、ブログやイラスト投稿サイトなど、藤原さんも僕もちょっと異常なくらい楽しんで拝見させていただいています(笑い)。
「カッコいい」「可愛い」「笑える」「泣ける」。この4つの要素のどれか1つでもすごく良ければ、それは読者に喜んでもらえるマンガといえると思いますが、藤原さんのマンガはこの4つの要素全部が良いんです。
特に「カッコいい」「可愛い」にかんして、男キャラ女キャラ両方ともを、絵柄もキャラ性もここまでクオリティー高く描ける作家というのは、ほとんどいないのではと思っています。「妖狐×僕SS」を語るときに、ある人は「女性向け作品」と言い、ある人は「男性向け作品」と、正反対に言われることがよくあるのですが、それこそ「カッコいい」「可愛い」の両方がしっかりできている証拠かなとも思います。
「男女向け作品」である「妖狐×僕SS」、ぜひ一度読んでみてください。たくさん詰まった要素のどこかが必ずあなたの心に響くはずです。
幼いころから、素直に愛情を示せず人を傷つけないように、一人になろうと主人公・凛々蝶は一人暮らしを始めます。主人公を含め、マンションに住む登場人物が妖怪の先祖返りたちであることや、言葉の端々にちりばめられたS的思考、M的思考をにおわせるセリフが全部ツッコミどころという、作り込まれた作品です。そこに主人公の心の変化が盛り込まれ、1話ごとのボリュームが生まれています。2巻で強烈なS的思考の人物が登場して話が変わったかに見えますが、読み終わると「だから2冊同時発売なのか」と気付かされます。そのさじ加減は「すばらしい」の一言です。
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