「ヒット解析」でおなじみ、TSUTAYAで加盟店にゲームソフトの商品提案をしているマーチャンダイザー(MD)の松尾武人さんが、その経験と綿密な調査で、月間ランキングを大胆に予測する月1回の企画「MD松尾の月間ヒット予測」です。
ウナギノボリ
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前年の09年7月は、大ヒットした「ドラゴンクエスト(ドラクエ)9」(DS、スクウェア・エニックス)が売り上げの大半を占めました。また、「Wiiスポーツ リゾート」(Wii、任天堂)、現在も売れている「トモダチコレクション」(DS、同)といったライトユーザー向けのタイトルや「初音ミク プロジェクトディーヴァ」(PSP、セガ)、「ぼくのなつやすみ4」(同、SCE)なども、そこまで「ドラクエ」の影響を受けず健闘しました。
「ドラクエ9」が大ブレークした前年と比べると、さすがに今年はちょっと小粒な印象を受けるのは否めないところ。そんな今年の1位はPS3のRPG「白騎士物語 −光と闇の覚醒−」(SCE)か。08年末に発売された前作「古の鼓動」や、アップデートを反映し値段を下げた「EX Edition」がヒットしており期待できそう。加えて、「古の鼓動」自体が収録されているのも好材料。前作を遊んでいない初心者でも手に取りやすくなっています。
2、3位はテレビアニメも人気を集めているサッカーRPG「イナズマイレブン3 世界への挑戦!! スパーク/ボンバー」でしょう。バージョン違いの両タイトルを合わせると間違いなく7月のトップですが、ひょっとしたら単体でもトップになるかもしれません。今のところ若干「スパーク」の予約が多いようです。継続的なプロモーション展開が予定されており、開催中のサッカーW杯も追い風になるでしょう。
パーティーゲームを集めた「Wiiパーティー」(Wii、任天堂)も期待のタイトル。「スーパーマリオギャラクシー2」(同)などで盛り上がっているタイミングでの投入で、ジャンルが「マリオ」とかぶらないのもポイント。「Wiiスポーツ リゾート」と同じ盛り上がりを期待しています。また、女性に人気の「戦国BASARA3」(PS3・Wii、カプコン)も注目。久々のナンバリングタイトルでボリュームも十分。人気声優によるボイスも増えており、より一層感情移入できるでしょう。これを機にPS3を購入する女性ユーザーも多いと考えており、ハードの売り上げも引っ張ってくれそうです。
◇10年7月のヒット予測
1位 白騎士物語 −光と闇の覚醒−(PS3)
2位 イナズマイレブン3 世界への挑戦!! スパーク(DS)
2位 イナズマイレブン3 世界への挑戦!! ボンバー(DS)
4位 Wiiパーティ(Wii)
5位 ドラゴンクエスト モンスターバトルロードビクトリー(Wii)
6位 戦国BASARA3(PS3)
7位 実況パワフルプロ野球2010(PSP)
8位 ファイアーエムブレム(DS)
9位 ラストランカー(PSP)
10位 桃太郎電鉄タッグマッチ 友情・努力・勝利の巻(PSP)
1位 ドラゴンクエスト9(DS)
2位 Wiiスポーツ リゾート(Wii)
3位 トモダチ コレクション(DS)
4位 ぼくのなつやすみ4(PSP)
5位 プロ野球スピリッツ 6(PS3)
6位 初音ミク プロジェクトディーヴァ(PSP)
7位 プロ野球スピリッツ 6(PS2)
8位 ペンギンの問題 X 天空の7戦士(DS)
9位 モンスターハンターポータブル 2nd G(PSP)
10位 おかえり!ちびロボ!ハッピーリッチー大そうじ!(DS)
◇プロフィル 松尾武人(まつお・たけと) TSUTAYAゲームリサイクル企画グループ リーダー
「GAME TSUTAYA」加盟約450店に新作ゲームの商品提案をするマーチャンダイザー。96年から家電量販店でゲームのバイヤーを担当。02年にTSUTAYA入社後も一貫してバイヤーの道を歩いてきた。ネオジオCDを2台購入したほどの格闘ゲーム好きだったが、現在は携帯版ドラクエなどで遊ぶ日々が続いている。
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