高倉健さん主演で77年に公開された名作「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」(山田洋次監督)を米国でリメークした「イエロー・ハンカチーフ」(ウダヤン・プラサット監督)の特別試写会が22日開かれ、山田監督と女優の桃井かおりさんがトークイベントに登場した。リメーク作品にも出演した桃井さんは、主演のウィリアム・ハートさんについて「本当に優しくて、私のことが好きなんじゃないかと思った。だけど、みんなに優しいって聞いてがっかり」と振り返り、恋愛については「大丈夫ですよ。教えてあげないけどね。老後も幸せだったらごめんなさい」と笑顔を見せた。
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「幸福の黄色いハンカチ」は77年に公開され、日本アカデミー賞をはじめ同年の映画賞を総なめにした名作。女性にふられてやけになり、新車であこがれの北海道ドライブを旅する欽也(武田鉄矢さん)は、一人旅の朱美(桃井かおりさん)をナンパ、さらに刑務所から出所したばかりの中年男・勇作(高倉健)とも知り合い、3人は道連れとなる。勇作は出所直後に妻(倍賞千恵子さん)へ「自分を待っていてくれるなら、家の前に黄色いハンカチを掲げておいてくれ」と手紙を書いたことを打ち明ける……という人情味あふれるロードムービー。勇作の事件を担当した刑事役で、渥美清さんも出演している。
「イエロー・ハンカチーフ」は、プロットはそのままで米国南部を舞台に、約束の地・ニューオーリンズを目指す新たな3人の旅を描く。アカデミー賞主演男優賞のハートさんが主人公のブレッドを、ブレッドの帰りをひたすら待つ妻メイをマリア・ベロさんが演じ、ブレットとともに旅をするカップル役で、映画「トワイライト」のヒロインも務めたクリステン・スチュワートさんとエディ・レッドメインさんが出演。桃井さんはモーテルの女主人役で出演している。
桃井さんは「オリジナルキャストってだけでいろいろ質問されたり、尊敬された。歓迎のディナーもあって、こんな待遇はもう一生ないと思った」とリメーク作の撮影を振り返り、「一途な思い」が描かれた作品に「最近私は人を信じられるようになってきた。一途なのっていいですよね」と語った。
山田監督は「どの映画も覚えていますけど、この映画は特に印象深い。30年ちょっと前の映画が、新しくリメークされてアメリカの映画になって、こうして試写会が持てたことは、本当に感慨無量ですね」としみじみと語り、リメーク作についても「とってもいいですね。誠実に撮っているという感じ」と評価していた。映画は26日からロードショー公開される。(毎日新聞デジタル)
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