ラブプラス+:「ファンは想像以上にストイックでした」プロデューサーインタビュー

「ラブプラス+」のゲーム画面 (C)2010 Konami Digital Entertainment
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「ラブプラス+」のゲーム画面 (C)2010 Konami Digital Entertainment

 ニンテンドーDS用ソフト「ラブプラス+(プラス)」が24日、発売された。美少女キャラとの恋人関係を目指す従来の恋愛ゲームとは異なり、恋人の甘い関係を描く路線が大当たり。インターネットで話題となり、テレビ番組でも取り上げられるブームになった。内田明理プロデューサーに話を聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 −−昨年9月に初代「ラブプラス」が発売されて、インターネットで話題になりました。

 いったんゲームから離れた人も遊んでくれましたし、テレビの番組などにも取り上げられるなどマスコミの反応も良かったですね。従来の恋愛ゲームは購入したらそこで終わりでしたが、「ラブプラス」はユーザー同士が個々に遊びながら同じ経験を共有し、さらに遊びとして“昇華”してくれるなど“祭り”でした。「ラブプラス」のテレビ番組に出演した後で、理髪店に行ったとき「ラブプラスでテレビに出ていましたよね?」と言われましたよ。

 −−新しい「ラブプラス」のポイントは?

 彼女ができれば、次には二人っきりの旅行に連れ出そうとする……と思ったんです。1日を二人だけで過ごすのは恋愛のだいご味で、青春のキラキラした1ページではないでしょうか? それを夏休み前のワクワクした時期に合わせて楽しんでもらう……というのが狙いなんです。企画会議では、旅行ネタを出し合ったのですが、ほほえましい話がある一方で、「それって他人の話じゃないだろう!」という痛々しいものもありました(笑い)。

 −−タイトルに「2」の文字がなく、新キャラクターもいません。

 新しいゲームを作るにあたり、もちろん新キャラクターも考えたのですが、ユーザーからは「今のキャラでイベントを増やして、もっと遊ばせてほしい」という声が圧倒的だったんです。せりふなどの表現も増えてデータ容量は倍になっているとはいえ、前作のゲームも遊べますし、「2」とは違うと思ったんです。

 −−ゲームで力を入れたのは?

 現実の時間の流れに合わせてゲームを進める「リアルタイムモード」があります。このモードは、遊び手の時間を拘束するからハードルが高いと思っていたのですが、「ラブプラス」のファンは開発者の想像以上に“ストイック”でした。今回は、ファンの要望に応えて「リアルタイムモード」を充実させています。ヒロインとの1泊2日旅行は、イベントも盛りだくさんで、24時間本当に行動できますから、現実世界でも休みを取って遊ぶことをお勧めします。

 −−旅行の舞台は、静岡の熱海ですね。

 「ラブプラス」では、熱心なユーザーがヒロインを彼女に見立て、DSを持ち歩いていろいろな場所に連れて行くことが多かったんです。いくつかの候補地から熱海を選んだのは、関東と関西の中間にあり、日本の代表的な観光地で、我々の親の時代には新婚旅行のメッカだったこと。さらに、史跡・名勝もあり、娯楽も盛りだくさん。食べ物はおいしく、旅館もレトロで非常にいい雰囲気を出していて、町全体が“テーマパーク”だったんです。

 −−旅行以外も、彼女とさまざまなイベントが増えたとか……。

 実は、ヒロインとのケンカがあります。コンセプトは「幸せな恋愛生活」なのですが、それだけでは退屈という声があったんです。実際の世界でも、彼女から突然怒られて「なぜ?」という場面ってあるでしょう? もちろん最後には仲直りできますから安心してください。他にもお見舞いに行ったり、逆に来てくれることもあります。また、「SOSボタン」という面白い仕掛けもあります。

 −−SOSボタン?

 前作を遊んだ人から「ヒロインの言葉に救われた」という声があったんです。世の中に疲れた人を何とか元気づけたいと考え、1回だけ使えるボタンで、ヒロインがユーザーを真剣に励ましてくれるのです。私もこのせりふの収録時には泣いたほどで、聞けば少しだけ前向きに生きられると思います。「SOSボタンがあって救われた」……と言われたらいいですね。

 −−女性版「ラブプラス」は出ないのでしょうか?

 リクエストはありましたが、ゲームのキャラクターの性別を変えればできる……というものじゃないんですよ。恋愛ゲームで、男性は分かりやすいせりふを求めますが、女性は、言葉のニュアンスをより大事にするんです。女性は普段から恋愛コンテンツに触れているためか、ハードルが高いんですね。

 −−ファンへ一言お願いします。

 「ラブプラス+」では、さらに長く楽しく遊んでもらえるようになりました。「心の17歳」のみなさんは、夏休みを目いっぱい楽しんでください。

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