ホラー作家・平山夢明さんの小説「『超』怖い話」シリーズをゲーム化した「『超』怖い話DS 青の章」(アルケミスト)の公式サイトで、謎のキャラクター「特命サラリーマン『超』怖(こわ)」が登場、「怖い」をテーマにした動画が配信されている。アイデアを重視したプロモーションの舞台裏を追った。(毎日新聞デジタル)
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ゲームは、平山さんと東京都内を巡りながら、さまざまな人から怪異現象の体験談を聞いていくという内容。平山さんが各シナリオを監修し、文庫未収録作2本と新規書き下ろし3本を含む計63本のシナリオが楽しめる。
特命サラリーマンは、バンジージャンプ、カエルの洗い、東京都内の心霊スポットでの記念撮影という三つの「特命」に挑戦している。この特命サラリーマンは、広告代理店「全力エージェンシー」のアカウントプランナー、小川貴史さん(32)だ。ホラー好き、心霊好きな人の心をピンポイントでつかむバイラル(口コミ)動画を作ろうと、自らやらせなしで「特命」にチャレンジした。
7月15日に配信され1回目の動画では、アミューズメントパーク「よみうりランド」(東京都稲城市)にある高さ22メートルのバンジージャンプに挑戦。収録日は降水確率が60%で、機材が雨にぬれるとダメになるため、小川さんは「バンジージャンプは初めてで怖かったのですが、雨が降って収録がずれこんでしまうの方がもっと怖かった」と振り返る。22日配信分では、新宿の料理店で実際に食べられるカエルの洗いに挑んだ。食用カエルが暴れるシーンも撮影して大成功だった。
29日に配信された最後の挑戦は、鈴ケ森刑場跡(東京都品川区)や巣鴨プリズン(東京都豊島区)、羽田空港の赤鳥居(東京都大田区)といった著名な心霊スポットで記念撮影した。最も期待された企画だったが、実際に足を運んでみると周囲は民家も多く、明かりもあり、あまり怖くなかった。小川さんは「(心霊写真を)作るわけにもいきませんしね……」と苦笑いする。
撮影した動画は、小川さんが自ら編集も手がけ、動画の構成は、前半は自らが体を張ったドッキリ系、後半は、セクシーな美女がゲームをプレーして解説する「お口直し」の映像も収録した。
アルケミストの担当者は「最後(心霊スポット)の動画は残念だったけど、体を張ってくれて、アイデア勝負の面白い動画になったと思います」といい、公式サイトのアクセスも普段の20倍以上となった。小川さんは「関係者にも好評のようで、体を張って笑いを取れたと思います。期間もなく大変でしたが面白かった」と話す。だが全力エージェンシーの青山譲社長は「自分を“守っている”からまだまだ。もっと魂を見せてほしい」と辛口で、小川さんの「特命」はまだ続きそうだ。
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