注目映画紹介:「怪談新耳袋 怪奇」マノエリが初主演 動と静の二つのホラーを熱演

映画の一場面。(C)2010「怪談新耳袋 怪奇」製作委員会
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映画の一場面。(C)2010「怪談新耳袋 怪奇」製作委員会

 実話を基にした怪談をまとめた原作をBS‐TBSでドラマ化し、ヒットした人気シリーズの劇場版4作目「怪談新耳袋」が4日に公開される。「ハロー!プロジェクト」のアイドル真野恵里菜さんがヒロインを演じ、初主演ながら熱演。「ツキモノ」「ノゾミ」、二つの物語の個性の異なるヒロインを、真野さんが演じ分けているのも見どころだ。

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 2編のオムニバスで、1編目の「ツキモノ」は就職活動中の女子大生あゆみ(真野さん)は大学に行くバスの中で、具合の悪そうな女性に出会う。「大丈夫ですか?」と声をかけると、女性は「背負う気あんの?」と不気味な言葉を投げかける。あゆみが授業を受けていると、さっきの奇妙な女性が大学に侵入し、次々と学生を襲う……。

 2編目「ノゾミ」は、孤独な女子高生めぐみ(真野)が主人公。家族旅行中の事故で妹が水死した過去を持つめぐみは、ずっと自責の念にかられて母親とギクシャクしていた。学校を休み、カウンセリングを受けたり図書館に通ったりする日々。ある日、母親の旧友で霊能力がある信子に「小さな女の子がとりついている」と言われて……。

 大学という日常の中で起こるパニックが中心で、キャーキャーと走り回るアクションシーンを多用し、瞬発力のある怖さを表現した「ツキモノ」と、妹を亡くした少女の心の内を叙情的に描きながらジワジワとした心理的恐怖を描いた「ノゾミ」。静と動、二つのホラーが楽しめる。対照的だが、両作品には共通したテーマが見て取れる。それは「人間関係の不協和音」といった、誰もが経験するものだ。以前からこのシリーズのファンだったという「東京島」の篠崎誠監督がメガホンをとった。脚本は「ほんとにあった怖い話」シリーズを多数手がける三宅隆太さん。「生きている人の心が分からない人に、死んだ人の姿なんて見えない」というせりふは奥深い。真野さんの黒目がちな大きな瞳が印象的だ。4日から、シアターN渋谷(東京都渋谷区)ほか全国で順次公開。(キョーコ/毎日新聞デジタル)

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