ドラマ「崖っぷちのエリー」に出演中の小泉孝太郎さんが、昨年初主演を果たしたドラマ「コールセンターの恋人」（全10話）を１週間視聴できるDVDがセットで1580円で発売されている。通販会社の商品開発部に勤めるエリート社員だったが片田舎のコールセンターに飛ばされた主人公・都倉渉を演じた小泉さんに話を聞いた。（毎日新聞デジタル）

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　−−「コールセンターの恋人」に出演したときの思い出に残るエピソードを教えてください。

　連続ドラマでここまでしょっちゅうロケに行くというのはそれまでになかったですし、しかも、千葉の海で本当に何もないような漁港だったり、実際にコールセンターがある場所で、携帯もつながらないような周りに何もないところでロケをしたので今でも鮮明に覚えています。あのころは大河ドラマ「天地人」の撮影もかぶっていて、朝一で渋谷に行って大河を撮ってから、コールセンターへ行き、また夜は渋谷に戻って……なんてやってましたから、初めて腰や背中に来ちゃってハリ、マッサージに行きました（笑い）。

　−−コールセンター勤務の役ですが、何か通販で買ったことはありますか。

　ちょこちょこ買いますよ。「ビリーズ・ブート・キャンプ」とか（笑い）。「ロデオボーイ」も通販で買いましたね。

　−−コールセンターにはいろんな電話がかかってきますが……。

　実際に世間話をするためにかけてくる人っているんだなって（笑い）。あと説明書をよく読めば書いてあるようなことを聞いてきたり。でも、僕が演じた都倉は、いままで自分はエリートで来たと思っているから、「なんでこんな電話をかけてくるんだよ」ってそのままの気持ちでいた方がいいと思っていたので、何も知らない方が役として面白いと思って、あまり知識を入れ込まないようにしました。

　−−「コールセンターの恋人」や「崖っぷちのエリー」など明るいドラマに続けて出られていますけど、コメディータッチの役を演じる上で気を付けていることは？

　初めて共演する方とはどういう間合いなのかとか、どういう芝居をするのかすごく気にします。そして現場で演じたときに「ああ、僕はこのポジションがいいな」とか、もっとオタクっぽくしたほうがいいとか、周りを見て、あと自分で画面を見たときにどう見えるかを考えて決めていきます。

　−−改めて「コールセンターの恋人」の連ドラ初主演の感想と見どころを。

　初主演は本当に大きな31歳の誕生日プレゼントでしたね。本当に感謝してますし、あれを経験しているのと、していないのとではその後が大きく違ったと思います。作品自体は（脚本の）中園ミホさんがとてもリズミカルにコミカルに、かつ泣ける回もあるようにうまく書いてくださって。コールセンターが舞台のドラマなんてほかにはないから、ああこういう人が働いているんだっていうのを見るだけでも面白いし、左遷された都倉に感情移入して見ていただいたら、うれしいですね。

　−−このたび「コールセンターの恋人」が1580円でDVDで見られますけど、これ以外の作品で全話をDVDで見てみたいというドラマはありますか。

　（即答で）「踊る大捜査線」ですね。まだ青島刑事が室井さんの運転手をやっていたような（初期の）時代の。

　−−「崖っぷちのエリー」は最終回を迎えますが、小泉さんが演じる編集者・平林の役の見どころを。

　西原理恵子先生の壮絶な半生を面白おかしく描いていますけど、それだけでなく切っても切り離せないお金の話を描いています。お金との距離感を考えさせられますね。平林は絵里子にほのかに恋心を抱いていましたが、きっと平林的にはハッピーエンドではないんだろうな。でもどうやって平林が絵里子の支えになったのか、ならなかったのか、自分自身でも気になります。

　−−俳優の仕事についてお父さん（小泉純一郎さん）はなんと言っているんですか？

　喜んでますね。「お前の仕事は笑顔が生まれる仕事だ」って。父の仕事ではなかなか笑顔は生まれないけれど、自分の息子がそういうところへ行ってくれて心底喜んでくれているようです。

　＊……「崖っぷちのエリー」はテレビ朝日系で3日午後9時～9時54分放送。

　＜プロフィル＞

　1978年7月10日、神奈川県出身。02年に「初体験」、「ナースマン」でドラマデビュー。その後、「ガチバカ」（06年）、「ハケンの品格」（07年）、「ごくせん」（08年）などの人気ドラマに次々に出演。09年に「コールセンターの恋人」で連続ドラマ初主演を果たした。09年の大河ドラマ「天地人」に大国実頼役で出演。映画は「踊る大捜査線」シリーズなどに出演している。