今年最も流行した言葉を決める「ユーキャン新語・流行語大賞」が、いよいよ12月1日に行われる。すでに60の候補が主催のユーキャンの公式サイトなどで発表済み。音楽関係から日韓アイドルブームを象徴する用語として、シングルCDセールスでミリオンを達成した「AKB48」と、少女時代やKARAのヒットを象徴する「K-POP」が候補となっているほか、今年はサッカーのワールドカップ南アフリカ大会が開催されたことから「岡ちゃん、ごめんね」、「本田△(ほんださんかっけー)」、「(W杯)ベスト16」といった日本代表にちなんだ言葉をはじめ、W杯の結果を当て続けたタコの「パウル君」や「ブブゼラ」など、W杯関連の用語が多数候補入りしているのが特徴だ。
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スポーツでは、W杯関連こそ多くノミネートされているが、それ以外は少ない。今年は冬季バンクーバー五輪が開催されたが、女子モーグル決勝で4位だった上村愛子選手が試合後に思わず漏らした「なんで一段一段なんだろう」のみ。そのほかのスポーツ関連でも、不祥事が続いた大相撲から横綱の白鵬関が野球賭博問題でNHKの生中継が中止になった際にぶちまけた「国技をつぶす気か」が入っただけとなった。
お笑い関連もわずか一つだけ。08年にはエド・はるみ「グ~!」が大賞に輝き、昨年は「M−1グランプリ」準優勝のお笑いコンビ「オードリー」の春日俊彰さんのネタ「トゥース」やお笑いコンビ「天津」の木村卓寛さんの「あると思います」などがノミネートされるなど、近年、お笑い関連からの選出が多い傾向だったが、今年候補となっているのは、お笑いコンビ「Wコロン」のねづっちさんが謎かけの前に言う決まり文句「ととのいました」のみとなった。
昨年は民主党による「政権交代」が流行語大賞を獲得したが、今年も政治では、政権与党のキーマンたちに関する用語が多い。菅首相を意味する「イラ菅/ダメ菅/○○菅」、鳩山前首相を表す「ルーピー」、小沢元代表にまつわる「脱小沢/親小沢/反小沢」「剛腕」「壊し屋」「検察審査会」、蓮舫議員がスーパーコンピューターをめぐる事業仕分けで口にした「2位じゃダメなんですか」などがノミネートされている。
デジタル社会の到来を告げる用語も目についた。米アップル社のタブレット型端末「iPad」、テレビで注目を集める「3D」をはじめ、ツイッターの流行で広まった「~なう」が候補入り。さらには、ネット上で使われてきた現実の生活が充実していることを示す「リア充」やネットのオンラインゲームに依存する人を指す「ネトゲ廃人」など、ネット関連の用語も登場しており、現代社会を象徴している。
記録的猛暑となった今年は、地球環境に関する用語もノミネート。日中の最高気温が35度を超えた日のことを指す「酷暑」や、10、11月に名古屋市で3週間にわたって開催された国連生物多様性条約第10回締約国会議(通称=COP10)もあり「生物多様性」が入った。
ヒット商品やブームが基になっている用語では、スーパーなどで品薄状態が続いた「食べるラー油」をはじめ、川畑のぶこさんの片づけを指南する著書から「断捨離」。また、NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」や大河ドラマ「龍馬伝」のヒットを受けて「ゲゲゲの~」、「…ぜよ」も候補となった。(毎日新聞デジタル)