宝塚歌劇団:史上初OG17人が「次郎長三國志」に挑戦 榛名由梨ら往年のトップスターが勢ぞろい

舞台「勢揃い、清水港 次郎長三國志」に出演する(左から)えまおゆうさん、瀬戸内美八さん、郷ちぐささん、榛名由梨さん、汀夏子さん、高汐巴さん
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舞台「勢揃い、清水港 次郎長三國志」に出演する(左から)えまおゆうさん、瀬戸内美八さん、郷ちぐささん、榛名由梨さん、汀夏子さん、高汐巴さん

 宝塚歌劇団OG総勢17人が出演する舞台「勢揃い、清水港 次郎長三國志」が21日、博品館劇場(東京都中央区)で開幕した。主役の清水次郎長を演じた元月組トップの榛名由梨さんは「宝塚の長い歴史の中でも任侠ものは初めて。精いっぱい汗水たらして頑張ります」と意気込んだ。次郎長シリーズをやることは「夢のような話がやっと実現した。やり始めたらさすがに男役の元トップスター。さまになってきていると思う。次郎長役は背伸びが必要だけれど、人間的に成長できたと思う」と自信をにじませていた。

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 「清水次郎長」は、幕末に活躍した侠客・清水次郎長こと山本長五郎の半生を描いた村上元三の長編小説シリーズで、舞台は森の石松を加えて次郎長一家がそろう「勢揃い清水港」をアレンジ。駿河国清水港に一家を構え、渡世に知られるようになった清水の次郎長。一宿一飯の恩で次郎長の命を狙った森の石松は、次郎長から受けた情けにほれ込み、逆に子分になる。都田一家の間柄はますます険悪になる中、けんかっ早い石松の扱いに手を焼く次郎長は、自らの愛刀「五字忠吉」を讃岐金比羅宮に奉納するように、修行を兼ねて旅の間は酒を飲まず、けんかもしないと約束させて使いに出す……という物語。

 「ベルサイユのばら」で初代オスカルを演じた榛名さんをはじめ、江尻の大熊役は元雪組トップの郷ちぐささん、森の石松を同じく元雪組トップスター汀夏子さん、石松の親友・小松村七五郎を元花組トップスターの高汐巴さんと豪華なキャストで、宝塚OG17人が出演する舞台は初めて。また、大衆演劇界のスター・竜小太郎さんも、謎の女お竜をはじめとする3役で出演する。

 郷さんは「長年休んでいましたが久々に出てまいりました。同期の榛名さんに守られてやっています」と話した。汀さんは「いろんな組でいろんな時期にやめた人々が集まって芝居をやれて幸せ」と喜び、高汐さんも「年始からにぎにぎしい舞台。華やかで凛と潔く演じさせていただきます」とうなずいた。関東綱五郎を演じたえまおゆうさんは「私が子供のころにあこがれたトップさんと演じられて感激。上級生の方々を突き飛ばして、偉そうに頑張りたいと思います」と緊張気味で、元星組トップスターの瀬戸内美八さんは「上下の規律を守りながら、和気あいあいとやっています」と話し、初の殺陣は「切られてくださる方がお上手なのでともかく楽しいチャンバラです」と笑顔で話していた。

 舞台は30日まで約3時間の上演となる。(毎日新聞デジタル)

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