ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
話題の小説の魅力を担当編集者が語る「ブック質問状」。今回は、福田沙紀さん、松下優也さん主演でテレビドラマ(MBS・TBS系)も放送中の大沢在昌さんのクライムアクション小説「カルテット」です。角川書店編集局第1編集部の小林順さんに作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
タケル、カスミ、ホウという10代後半の3人がチームを組んで、異端の刑事クチナワの指令を受けて潜入捜査を行ううちに、大きな敵の存在に気付いていくというシリーズです。チームの関係が信頼と不信のあいだで揺れながら変化していくところと、4人の視点が次々と切り替わるスピーディーな展開に注目してください。4巻まで順次発刊中ですが、ソフトカバーで1冊あたりのページ数も少なめなので、一気読みできますよ。
−−作品が生まれたきっかけは?
「カルテット」は5年以上にわたって文芸誌「野性時代」に連載されました。今の若者が心の中に抱えるやり場のない絶望感や怒りを表現したいという思いが込められていますが、けっして重苦しくはなく、文句なしに楽しめるエンターテインメント小説になっていますので、気軽に楽しんでもらえるとうれしいですね。
−−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。
今年の1月からTVドラマが始まりました。単行本の刊行とほぼ同時にドラマがスタートするのは珍しいケースで、単行本の編集作業と並行してポスターのためのキャスト撮影や脚本の打ち合わせなどドラマの準備を進めたので、一時は会社に泊まり込むぐらい忙しかったですね。さらに、「Book☆Walker」という角川グループが昨年末に立ち上げた電子書籍プラットホームの第1弾として先行発売されたこともあって、初めての経験をたくさんさせてもらいました。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
警察小説ブームのきっかけとなった「新宿鮫」をはじめ100冊にせまる著書のある大沢在昌さんですが、「カルテット」は大沢作品を初めて読む方にもお薦めします。このシリーズは作者も「書いていて楽しい」とおっしゃっていて、続編の構想もあるそうなので、みなさんの応援で続編刊行を実現させてください。カスミがどうなってしまうのか、藤堂とクチナワの対決はあるのか? 私も読者の一人として続きが気になって仕方ないので、ぜひお願いします!
角川書店編集局第1編集部 小林順
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