ゴールデングローブ賞に6年連続でノミネートされるなどした米人気ドラマシリーズ「アントラージュ★オレたちのハリウッド」(04~09年)。その主演俳優エイドリアン・グレニアーさんの2作目の監督作となるドキュメンタリー映画「ティーンエイジ・パパラッチ」が5日、公開された。13歳のパパラッチの姿を追いかけた作品だが、これがすこぶる面白い。
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ドラマ「アントラージュ~」は、グレニアーさんふんする新人俳優がメキメキと頭角を現していく姿を、彼の取り巻きとともに描いたハリウッドの内幕ものだ。実際にこれで有名になったグレニアーさんは、あるとき自分を追いかけるパパラッチの中に13歳の少年がいることに気付く。その少年、オースティン・ヴィスケデイクさんに興味を持ったグレニアーさんは、逆に彼を追いかけ始める。なぜ年端もいかぬ子どもがパパラッチになったのか、深夜1時を過ぎようが構わずスターを追っかけ回す息子に、親はどんなしつけをしているのか、さらに、先輩パパラッチは彼の存在をどう見ているのか……。作品の導入部分はパパラッチ行為にのめり込む少年という一面的なものだが、パパラッチや俳優仲間などの意見と映像を挿入し、またパパラッチの歴史的起源や問題点、さらに存在意義にまで言及することで、作品に広がりを持たせることに成功している。
ほかにもパリス・ヒルトンさんの、パパラッチに対する良識あるコメントに、彼女に対する印象が変わったり、普段は好人物と評判のある俳優が、親友を弁護しながらパパラッチに対する不信感をあらわにする場面は意外性があって新鮮だったりと、見ている私たち自身にも新たな発見がある。さらにグレニアーさんは、自分が撮った映像をヴィスケデイク少年とその母親に見せることにしていたが、映像を見ながら変化していく母親の表情が見ものだ。だが、今作の何よりのうまさは、パパラッチ少年の素行を見せながら、自分もまたメディアの多様性による弊害にむしばまれているのではないかと、観客に己の道徳心の内省を促す点だ。実に深く、濃い内容だ。5日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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