「グッド・バッド・ウィアード」(08年)や「甘い人生」(05年)のイ・ビョンホンさんとキム・ジウン監督が3度タッグを組んだ映画「悪魔を見た」が26日、公開された。婚約者を連続殺人鬼に殺された刑事が、犯人に自らの手で復讐(ふくしゅう)しようとするサスペンスだ。イさんが演じるのは、愛する人を殺された刑事スヒョン。彼が追う連続殺人鬼ギョンチョルは、「オールド・ボーイ」(03年)などで知られるチェ・ミンシクさん。キム監督作品にチェさんが出演するのは、監督のデビュー作「クワイエット・ファミリー」(98年)以来で、今作が10年製作のため12年ぶりとなる。
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チェさんが演じるギョンチョルが、とにかく恐ろしい。一見温和だが腹の底では何を考えているのか見当がつかない鬼畜のような男。それを淡々と演じることで、ことさら邪悪さが強調される。だが、それ以上に恐ろしいのは、復讐の鬼と化した刑事スヒョンだ。婚約者が味わったのと同じ、いやそれ以上の痛みをギョンチョルに味わわせてやろうと執念を燃やす。「R18+」指定だけに殺害シーンや暴行シーンなど凄惨(せいさん)な場面が多い。しかし不思議と不快にならないのは、残酷なシーンを思い切り描くことで、むしろ突き抜けたような快感と、そこからかすかにユーモアが生まれているからだろう。さらに根底に流れる復讐心が観客の共感を呼ぶ。
アクションあり、犯罪サスペンスあり、ホラーやコメディーの要素すらある。見終えて、むなしさと疲労感に襲われるが、それでもどこかすがすがしさを覚えるのは、キム監督が語っているように、この物語が「愛する者のためになんでもしようとする男を描いたラブストーリーでもある」からだろう。26日から丸の内ルーブル(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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