歌手の中島美嘉さんが18日、主題歌を手がける映画「八日目の蝉」(成島出監督)の東京都内での完成披露試写会にゲストで登場した。耳管開放症悪化のため歌手活動を休止していたが、映画に出演した井上真央さんや永作博美さん、ファンらの前で主題歌「Dear」を生の歌声で披露した。中島さんの歌に、井上さんは「なんかいろいろ思い出しちゃって」と大粒の涙。永作さんも「生で聴いて私も感動してしまいました」と感涙していた。
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中島さんは昨年10月下旬から音楽活動を休止。「納得できる歌が歌えないぐらいに悪化してしまい、治療に専念したい」という理由から、10月の大阪城ホール(大阪市中央区)、11月の日本武道館(東京都千代田区)で予定していた10周年記念ライブを中止したが、本人の強い希望で中止した全公演分、会場に姿を現してコメントするなどしていた。今月1日には音楽番組に生出演し復帰作となる「Dear」を歌ったが、ファンの前で直接歌声を披露するのは今回が復帰後初めて。
中島さんは主題歌について、「恋人だろうが家族だろうが、とにかく大きな愛がテーマ。映画と一緒に聞いていただいて、映画を楽しんでいただけるのが、この曲に合っているかなと思います」とコメント。復帰について直接語ることはなかったが、客席から「美嘉ちゃーん」と声援が飛ぶと笑顔がこぼれ、写真撮影の前に、いったん降壇する際に女性客から「おかえり!」と声が飛ぶと、感極まったのか、口元を押さえながら退場する一幕もあった。
「八日目の蝉」は、直木賞作家・角田光代さんの初の長編サスペンスが原作。10年にはNHKでドラマ化もされている。不実な男を愛し、母となることがかなわなかった希和子(永作さん)に誘拐され、4歳まで愛情いっぱいに育てられた恵理菜(井上さん)は、大学生になり、実の両親の元に戻っても普通の生活は望めず、心を閉ざしたまま。そんなある日、恵理菜は妊娠したことに気づくのだが、その相手は家庭を持つ男だった。過去と向き合うため、かつて母と慕った希和子と暮らす小豆島に向かった恵理菜が、そこで知った衝撃の真実とは……というストーリー。29日から全国で公開予定。(毎日新聞デジタル)
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