歌舞伎役者で俳優の中村獅童さんが19日、東京・浅草の雷5656会館・ときわホールで行われた舞台「淋しいのはお前だけじゃない」の製作発表会見に登場。東日本大震災に関連し、つらいことや悲しいことをどう乗り越えてきたかという質問に対し「僕の場合は幼少時代から常に舞台があって、父が亡くなるときも公演をやっていましたし。一つの役を務めることでつらいことも乗り越えてきました」と真剣な表情で語った。
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会見には共演の元バレエダンサー、草刈民代さんも登場。同じ質問に「ずっとバレエをやってきて、(今までは)けいこをすることで問題も解決してきました。バレエをやめて生き方を変えた時の大変さも味わったけれど仕事に向かう真剣さとか強さがあればそれがお客さんに伝わるのではないかと思います」とバレエダンサー引退後の心境も交えながらアドバイスした。
同作は1982年にTBS系ドラマで放送され、当時社会問題となっていた「サラ金」をテーマにした社会派ドラマで、脚本を手掛けた市川森一さんが第1回向田邦子賞を受賞している。今回は脚本を戯曲家でもある蓬莱竜太さん、演出をマキノノゾミさんが手掛ける。会見には中村さん、草刈さん、蓬莱さん、マキノさんのほか、長谷川京子さん、平岡祐太さん、大川良太郎さんが登場した。
中村さんは同作品について「子供のころ、歌舞伎以外で女形を初めて見たドラマ。毎週楽しみにしていたドラマでその舞台か作品に出ることができてうれしい」と語った。また、この日ドラマ化作品で主人公・沼田薫を演じた西田敏行さんが悪徳金融のオーナーとして声の出演をすることも明らかになった。
舞台は、サラ金の取り立て屋・沼田薫(中村さん)は、妻よし江(長谷川京子さん)と細々と暮らしていたが、ある日、沼田はローンズランドの影のオーナー国分からある仕事を依頼される。その内容とは、国分の愛人であった由良常子(草刈さん)とその息子・市太郎(平岡祐太さん)から慰謝料として2000万円を取り立てることであった。しかし、常子が昔世話になった花村月之丞の娘だと知った沼田は、2人を救うために国分を相手にひと芝居打つことに。そのことが国分に知れ、逆に2人の借金2000万円の連帯保証人にされてしまう。途方に暮れる沼田に、常子は花村月之丞一座を旗揚げし、そのおひねりで借金を返済しようと持ち掛ける。こうして借金まみれの旅一座が出来上がっていくのだった……というストーリー。
公演の日程は、6月17~26日「赤坂ACTシアター」(東京都港区)、7月1日~9日御園座(名古屋市)、7月6~7日兵庫県立芸術文化センター・阪急中ホール(兵庫県西宮市)、7月9日りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館・劇場(新潟市)。なお、興行収入の一部はJNN・JRN共同災害募金を通じて東日本大震災の義援金として寄付される。(毎日新聞デジタル)
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