吉岡秀隆:ブッダ役に「恐れ多くて」 アニメ「手塚治虫のブッダ」完成披露

「手塚治虫のブッダ−赤い砂漠よ!美しく−」完成披露試写会に出席した吉岡秀隆さん
1 / 1
「手塚治虫のブッダ−赤い砂漠よ!美しく−」完成披露試写会に出席した吉岡秀隆さん

 俳優の吉岡秀隆さんが11日、声の出演をしている劇場版アニメ「手塚治虫のブッダ−赤い砂漠よ!美しく−」(森下孝三監督)の完成披露試写会に登場。後のブッダで、シャカ国の王子シッダールタを演じた吉岡さんは「こんな僕でシッダールタができるんだ、といまだに恐れ多く思っております。シッダールタが混迷した時代の中で答えを探そうと一歩踏み出した。その一歩が今を生きる私たちの糧(かて)になるよう祈っております」とあいさつした。

あなたにオススメ

 「ブッダ」は、手塚さんがマンガ誌「希望の友」「少年ワールド」「コミックトム」(潮出版社)で72~83年に連載したマンガ。説話に基づいたものではなく、ブッダ(釈迦=しゃか)の人間ドラマとして描き、エンターテインメント作品に仕上げた。マンガ界のアカデミー賞と呼ばれる米国のアイズナー賞最優秀国際作品部門を04、05年に連続受賞。手塚さんのキャリアで最長となる10年の歳月を費やしたライフワークで、国内で約2000万部を発行、英語、フランス語、ポルトガル語、韓国語、中国語、スペイン語、イタリア語で翻訳されている。

 アニメは全3部作で、第1部は、王国間の争いが絶えない2500年前のインドに、世界の王になると予言されたシャカ国の王子、ゴータマ・シッダールタが生まれる。思春期を迎えたシッダールタは、盗賊の少女ら身分の低い人々と心を通わせ、厳しい階級社会に疑問を抱くようになる。やがて強大なコーサラ国がシャカ国に攻め入り、激しい戦争が始まった。コーサラ国軍の指揮をとるのは、将軍の息子にして国一番の勇者チャプラだった。奴隷の生まれを隠し、将軍の命を助けてのし上がり、立身出世しようともがくチャプラと、人を救えるのなら高貴な身分を捨ててもいいと願うシッダールタ。二つの正反対の魂が戦場で交錯する……というストーリー。

 第1部だけで製作費10億円という大作で、吉永小百合さんがナレーターとチャプラの母、俳優の堺雅人さんがチャプラ、シッダールタを吉岡秀隆さん、スッドーダナ王を能楽観世流二十六世家元の観世清和さん、マリッカ姫を黒谷友香さんという豪華声優陣が演じる。第1部の主題歌はロックバンド「X JAPAN」の「Scarlet Love Song」。5月28日から全国で公開予定。(毎日新聞デジタル)

アニメ 最新記事